【レース】前走圧勝ブチコが夢広げるか

 重賞級の大歓声に驚かされた。1月5日の京都8R。白毛にブチ模様が特徴のブチコ(牝4歳、栗東・音無秀孝厩舎)が直線で後続を突き放すと、やがて歓声は拍手に変わった。2着馬に1秒7差をつける大差勝ち。5連敗中で、約11カ月ぶりとなった3勝目に、観客は大喜びだった。レース後の口取り(勝った馬の記念撮影)では、ファンがカメラや携帯電話で熱心に撮影する姿もあった。

 反響は競馬ファンだけにとどまらなかった。TBS系報道番組「サンデーモーニング」のスポーツコーナーでは、元プロ野球選手の張本勲氏、ゲストで登場した阪神タイガースの掛布雅之2軍監督が“あっぱれ”の高評価。「かわいい」(掛布2軍監督)、「4歳馬だから一番元気なころ」(張本氏)と今後の活躍を期待するなど、キュートな容姿の同馬に対しての注目度は高い。

 担当する橋本真悟助手は「G1でもないのに、“あっぱれ”をもらったのはブチコくらいですよね」と照れ笑いを浮かべる。同馬は今週末の北山S(30日・京都、ダート1800メートル)に出走予定で、ここを勝てばオープン馬の仲間入りを果たす。「状態はいい意味で平行線。寒いこの時季の方が良さそうだし、京都コースも合う。楽しみですよ」と連勝を期待していた。

 以前はピンクがかった白毛で幼さが残っていた同馬だが、今は白とブチ模様の濃淡がはっきりとしてグッと大人の女性に成長してきた印象。同助手は「今でも汗をかくとピンクになるんですよ。今の時季はそんなにかかないので、そう見えるのかもしれませんね」と説明する。「基本はおとなしい馬」とのことで、表情は実に豊かで愛らしい。ぜひ競馬場に足を運び、生で見てほしい一頭だ。

 今週末の北山Sの結果次第では、交流重賞3勝を挙げたユキチャン以来となる2頭目の白毛馬による重賞Vが懸かるエンプレス杯(3月2日・川崎、ダート2100メートル)への参戦も視野に入る。牝馬限定の地方交流重賞の先には、白毛馬が勝利したことがないJRA重賞のタイトルへ-夢はつながっていく。競馬ファンの裾野を広げる人気と実力を兼ね備えたアイドルホースへ-。連敗ストップで再び動き出したブチコの“シンデレラ・ストーリー”から目が離せない。(デイリースポーツ・大西修平)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス