【スポーツ】異色経歴「叫女」に要注目

デビュー戦を飾ったジャングル叫女
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 7月にアフリカのセネガルから帰国後、スターダム女子プロレス入りしたジャングル叫女(きょうな、24歳)が、入門からわずか3カ月後の15日・後楽園ホール大会でデビュー戦を行い、渡辺桃にダイビングボディープレスで快勝した。

 異色の経歴が目を引く。至学館大卒業後、青年海外協力隊員としてセネガルに派遣され、2年間滞在。リングネームの由来になった。学生時代は陸上競技の砲丸投げ、ハンマー投げで活躍。“アジアの鉄人”室伏重信氏から指導を受けたこともあるという。中学と高校の体育の教員免許を取得するほどスポーツ万能で、体力には自信を持っているだけに、プロレス流トレーニングでも音を上げることはない。

 希望して渡ったセネガルでは小学校で体育を教えており、帰国する3カ月前の今年4月までは日本に戻ったら教師になると決意していた。プロレスに関しては無知で、ジャガー横田、北斗晶、アジャ・コングらタレント活動の多い“著名人”しか知らなかったという。しかし、現地在住のプロレス好きの日本の友人の勧めですべてが一変。動画をチェックして興味を持つと、7月の帰国から3日後、ロッシー小川代表に直談判。そのまま新木場大会を観戦し、飛び込むことを決めた。

 ハートもプロ向きだ。デビュー戦が発表された11月5日の会見で「プロレスという仕事は自分にピッタリだと思う。リングの自分を見てもらいたい」と言ってのけ、度胸の良さを見せた。上昇志向が強く、「1番になりたい」と公言する。名古屋市出身の叫女は、同郷&同年齢のフィギュアスケート・浅田真央を勝手に意識してきたという。ウエートトレーニングルームで顔を合わせたことがある大学の先輩で、レスリング金メダリスト&国民栄誉賞の吉田沙保里も目標の1人。「頑張って、プロレスの知名度も上げていきたい。名古屋を代表するレスラーになりたい」と目を輝かせる。

 フランス語と現地のウォロフ語を駆使したセネガルでは井戸水を半年間ほど飲んだことで、お腹に虫がわいた。油で米を炊いて、手で食す現地料理チェブジェンも口に合わず、2年間お腹を下しっぱなしだった。「それでも、やせなかった」と豪快に笑う。団体対抗戦前にあえて行われた仙台女子との合同合宿でも新人ながら、カラオケでマイクを独り占めにしていたという。

 柔軟性もある156センチ、62キロの体で「パワー系で勝負したい。スターダムにはいないと思うんで、目立っていきたい」と力こぶを作った。プロレスを好きになり、入門を見据えたとき、里村明衣子のファイトスタイルに目が止まった。「一緒のタイプになると思う」。目標は団体の大黒柱・紫雷イオで「リスペクトしている。いつか超えたい」と誓いを明かした。

 年齢的にはイオと同学年と遅いデビューながら、選手減が続いたスターダムにとって待望の即戦力。激変した人生で「誰よりも輝きたい」と覚悟を決めたジャングル叫女。真っすぐに成長すれば、とんでもない大物になるかもしれない。(デイリースポーツ・大島一郎)

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