【野球】侍Jでの大谷二刀流の可能性は…

 野球の国際大会「プレミア12」で、日本は韓国との開幕戦(8日)に勝利。2戦目のメキシコ戦(11日)にも勝って、1次ラウンド突破へ順調な滑り出しを見せた。小久保監督は、開幕戦で6回2安打無失点に抑えて勝利投手になった日本ハム・大谷翔平投手について「今日は大谷に尽きる」と賛辞を惜しまなかった。

 侍の先発ローテ投手として奮闘している大谷は今大会、バットを持参せず、投手に専念。ただ、本業は投手、野手の二刀流選手でもある。将来、日の丸のエースになり得る可能性のある投手であるのは間違いないが、気になるのは一方の野手の方だ。将来、侍選手としての二刀流出場の日は来るのだろうか。

 大谷はプレミア12の代表メンバー選出後、野手として出場したいかの問いにこう答えた。「今年の成績で(打席に)立てるとは思っていないです。投手としてなら使ってもらえるかもしれないけど」と控え目に話していた。今シーズン、野手としては打率・202と苦戦したこともあり、野手での出場は『代表のほかの選手に失礼』とでも言いたげな表情だった。

 日本ハム選手時代から、親交が深い稲葉打撃コーチは今大会、投手一本で勝負させたことについて「野手としてここに入ってもひけを取らない選手だけど、中途半端がよくないということで(投手専念に)決めました。どちらかに専念させたかった」と明かした。今季の成績とは別問題であることを強調。世界一を争う場であるからこそ、2つ追うことで投手調整にも影響が出てくることを配慮したという。

 しかし、仮に今年、大谷が昨季の・274、10本塁打を上回る成績を残していたらどうだろうか。同コーチが述べたように野手としてもトップクラスの選手として能力を高く買われているのは事実。球界のトップクラスが集う侍ジャパンとはいえ、二刀流出場も検討に値していたかもしれない。

 大谷自身満足していないように、今季は平凡な打撃成績に終わった。技術的な問題はあったか。稲葉打撃コーチはこう説明した。「端的に言うと構え遅れがあったということですね。始動が遅い中で打ちにいこういこうという姿勢が伝わってきました。自分の打てる球も打ててないときがありました」。

 また、今年は前半戦で結果に苦しんだこともあり、代打稼業に回ったことも、慣れない持ち場で苦労したと分析する。「代打というのは長年、やった人でないと難しいのはありますよね。1打席で駆け引きをする難しさは経験していかないとなかなか」と稲葉コーチ。代打の難しさを強調した。

 来季、一部からどちらかに専念すべきとの声はあるが、プロ4年目の来季も二刀流として挑むことは決まっている。秋季練習中には千葉・鎌ケ谷2軍施設で栗山監督と面談し、野手でのさらなる活躍をとゲキを飛ばされたようだ。「バッター大谷の屈辱の1年間をどう、来年につなげるか見てる」と指揮官も来季の野手大谷の巻き返しを期待している。

 では、来季、野手大谷が、飛躍的に成績を伸ばすために何が必要か。稲葉打撃コーチは言う。「前半戦の打撃ですよね。結果が出ないとどうしても焦りが出てきますよね」。

 侍では投手専念だが、秋季練習で大谷は「これで終わりというのはない」と投打両方で黙々と練習をこなしていた。プレミア12解団後は、再び、二刀流練習に励むことになる。このままでは終われない。来季、野手として変わった姿を見せることが、侍ジャパンでの二刀流への道筋になる。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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