変化が見え始めた巨人・原監督の起用法

 巨人・原辰徳監督の苦悩の采配が続いている。奮闘する投手陣に対し、状態の上がらない攻撃陣。14日からの中日3連戦で痛恨のカード負け越しを喫し、首位・阪神とのゲーム差は3・5に開いてしまった。

 打線の不調-。チーム低迷の要因は明らかだ。原監督は開幕から100試合前後まで、実績や経験豊富な選手の復調に期待をかけてきた。だが、残り40試合を切り、その起用法にも変化が見え始めている。

 8月12日のDeNA戦(東京ドーム)では、前日に決勝打を放った阿部を4番に復帰させた。指揮官は阿部の打撃について「はね返すパワーというものが少し出てきた感じがしますね」と評価したが、翌13日のDeNA戦(東京ドーム)は、左の石田に対して村田が「4番一塁」でスタメン出場。阿部は九回に代打で出場した。

 15日の中日戦(ナゴヤドーム)では、左の浜田達に対して村田が6番一塁でスタメン出場。六回、1死満塁の場面で浜田達から右の山井に交代されると、原監督は村田に代打・阿部を送った。結果は最悪の二併殺。試合も0-3で敗れた。

 原監督は選手の起用法について「最善策」とし、多くを語ろうとはしない。重い決断で要因はさまざまあると考えられるが、ふたりのストロングポイントを生かした起用法へと転換したのだろう。16日を終えた時点で、村田は右投手の打率・191に対し、左投手は同・357。阿部も右投手の打率・251で7本塁打、左投手は同・217で2本塁打。相手投手の右左で、スイングの力強さも変わってくる印象だ。

 開幕前、原監督は「阿部、村田、内海、杉内には頼らない」と公言してきた。ただ、若手の台頭も乏しく、外国人もそろって不調。攻撃面では実績、経験ともに豊富な阿部、村田の“底力”に頼らざるを得ない状況だ。

 ペナント争いはいよいよ、最終コーナーに差し掛かってきた。ここから“左キラー”の村田、大黒柱の阿部が勝負強さを発揮できるか。ベテラン2選手の力がかみ合えば、チームが再浮上する可能性も広がってくる。(デイリースポーツ・佐藤 啓)

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