楽天・大久保監督の外国人7選手起用法

 楽天には現在、支配下登録できる外国人選手が7人所属している。1軍に登録できる外国人選手は4人までで、大久保監督がどのようにやりくりするのか。そのマネジメントは腕の見せ所でもある。

 指揮官は当初「投手2人、野手2人」の考えを示していた。野手については「20日出場させて抹消。10日休ませて昇格させる」と、3人を上手に使うローテーション構想まで考えていた。だが、ミコライオが椎間板ヘルニアで戦線離脱。野手3人を1軍に置く方向に舵を切った。

 外国人が3人並べば迫力は段違いだ。11日の西武との練習試合では「何がリターンで何がリスクかを知りたかった」と4番・ペーニャ、5番・ウィーラー、6番・サンチェスと並べた。「3人ともパワーがあるし、やはり迫力があった」と、まずは“リターン”を口にし、続いて「あの3人が並ぶと、そこで超機動力はできない」と“リスク”を挙げた。

 今季、チームは「超機動力野球」を掲げている。目標は200盗塁。だが、重量級の外国人が3人並ぶと、ベンチは動きにくい。「迫力」と「機動力」。この2つのテーマを両取りするため、指揮官は手を打った。14日のヤクルトとのオープン戦で「ランナーが走った時に、ギリギリまで引きつけて右にゴロが打てる」と、2番にウィーラーを配した。

 ペーニャ加入前から「機動力を生かすために、外国人を2人並べない」と話していた指揮官。この日は4番にペーニャ、6番にサンチェスと1人おきに外国人を据えた。この打順がはまった。ウィーラーは初回無死一塁から左前打で出塁すると、二走・聖沢との間で重盗に成功。この日、チームは3盗塁を決めた。「迫力」と「機動力」が共存する形を作った。

 もちろん、これが答えではない。指揮官はよく「PDCA」という理論を口にする。

 「PDCA」とはPlan(計画)、Do(実行)、Check(評価・点検)、Act(改善)の略で、仕事を効率良く回すための理論。

 「P」→「D」→「C」→「A」のサイクルを継続的に繰り返しながら改善することが大切とし、さまざまな業種で業務遂行上の基本型として用いられる。指揮官は、この理論を練習でも取り入れており、外国人選手の起用法も、それに当てはめて、今後も最善の策を模索していく。

 少なくとも、ミコライオ不在の間は「野手3人、投手1人」を基本線とする方針だ。重量級3人を同時にスタメン起用する「超攻撃的オーダー」で、どのように効率良く得点を積み重ねていくのか。3月27日の開幕戦へ向け、指揮官の思案は続く。

(デイリースポーツ・野畑圭司)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス