オーナーも感心 虎・植田の成長楽しみ

 素材の良さが際立っただけではない。新人らしからぬ落ち着き。卓越された守備。しっかりとした形でボールを捉える打撃。高知県安芸市で行われた阪神2軍キャンプで、ドラフト5位・植田海内野手(18)=近江=は輝きを放っていた。

 象徴的なのは、2月21日のハンファイーグルスとの練習試合(安芸)。「9番・遊撃」で先発出場した植田は、八回1死の場面で三塁線を抜ける二塁打を放った。続く横田の二塁打で、一気にホームへと生還。この日の試合を視察した坂井オーナーを「植田くんは落ち着いてプレーしていましたね。何か持っているような感じ。これから楽しみです」とうならせた。

 非力さは否めない。フリー打撃でも、外野の頭の上を越す打球はまだまだ少ない。だが、実戦では確実にボールを捉える打席が目立った。3試合に出場し、9打数3安打1打点。出場した全ての試合で安打を放った。

 掛布DCも高卒ルーキーを評価する。「実戦向きなのかもしれないね。落ち着いてしっかりボールを見られるし。打撃もいいものを持っている」。

 守備では藤本2軍内野守備走塁コーチと二人三脚で、捕球時の姿勢など基本動作を繰り返した。「身体能力は素晴らしいものがある。でも、まだ一つ一つの動きがバラバラなんだよね。基本だよ基本」。正面の打球をしっかりとした形で捕り、正確な送球を行う。今キャンプの特守で徹底的に取り組んだ。

 初日こそ「緊張しましたね。ものすごく疲れました」と振り返ったが、その後は充実した毎日だったという。「こんなにみっちりした練習をしたことがありませんでした」。プロという世界に飛び込んだ18歳が、キャンプを完走した。

 そういえば近江時代の恩師・多賀監督がこんなことを言っていた。「あの子はしっかりと考えて野球ができる子なんですよ。次に起こるであろうことも予測してね。打撃でもそう。でも一番は、遊撃の守備ですね」。まだまだ発展途上。今後の成長が楽しみでしかたがない。(デイリースポーツ・中野雄太)

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