G大阪がアジアを戦うカギは…

 国内3つの冠を手に、次はアジアを狙うG大阪。他クラブよりも一足早く2月24日、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)で、シーズンは幕を開けた。28日には富士ゼロックススーパーカップも行われ、まずは“1つ目のタイトル”を獲得。「タイトル総舐め」を果たすべく、まさに走りだしたところだ。

 とはいえACL初戦は、広州富力(中国)に0-2と完敗。ボールを回し、主導権を握りながら好機を探ったが、最後までネットは揺れなかった。

 アジアの壁というべきなのか。差を感じたのは前半10分。相手のモロッコ人FWに、カウンターからひとりで決められた。最後はDF岩下とGK東口の間からたたき込まれた決勝弾だった。

 警戒するカウンターで、警戒する選手から、それだけは防ごうと言っていた早い時間帯での失点を、岩下はこう自戒する。

 「相手は右利きだったから、右足(のコース)を切りすぎた。特徴を理解する前の早い時間での失点になってしまった」

 追いつきたい後半、カウンターをファウルで止め、エリア手前正面からのFKを決められる。ファウルをするまで守備陣はずるずると並走して下がるしかなく、結局嫌な位置からのFKに。思ったよりも速かった。

 Jの選手が相手であれば、もう少しうまく対応できたと思う-。そんな声も聞こえてきた。もっとも、この先も国内ほど多くの情報がないチームを相手にすることになる。「フェアプレーの中で、ファウルをする強さも必要になる」。選手が発したその言葉は間違っていないと感じる。あの失点を繰り返していては、アジアで勝ち続けるのは厳しい。

 28日の富士ゼロックススーパーカップ。G大阪は後半途中から189センチのFWパトリックを投入し、流れをつかんだ。後半23分、CKを頭でずらし先制をアシスト。終了間際には、ひとりでドリブル突破し、追加点を奪った。

 体の大きさと強さ、スピード。昨季途中から加入した助っ人が持つ日本人離れした能力は、エース・宇佐美や司令塔・遠藤と見事なまでにかみ合った。今季もその力は健在。彼が勝ち取った“1冠目”と言っていいかもしれない。

 裏を返せば、浦和はパトリックの能力に負けたわけだ。G大阪がACL初戦、外国人助っ人の能力に敗れたように。

 今季のG大阪は、大きな戦力補強をしなかった分「質を上げる」(長谷川監督)と掲げている。その求める質を“世界基準”まで高められるかが、アジアの戦いのカギとなりそうだ。

(デイリースポーツ・國島紗希)

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