鉄道マニア公言の芸人 陰に恩人タモリ

 お笑いコンビ・ダーリンハニーの吉川正洋(37)を取材する機会があった。鉄道マニアとしても有名で、鉄道がらみのテレビ番組やイベントに数多く登場しているが、意外なことに、ある人物と出会うまでは“マニア”であることを隠していたという。

 「小学生のころから鉄道は好きでした。でも、鉄道ファンということはずっと隠していたんです。大学生の時も、芸人になっても隠してました。何か恥ずかしいような気がして…」

 コンビの結成は、高校時代の1994年。一説によると、吉川は相方の長嶋智彦(37)にも鉄道マニアを秘密にしていたといわれているほど。吉川以上の“鉄”といわれるホリプロの南田裕介マネジャー(40)も「当時は鉄道ファンって人いなかったな。そういう時代だった」と証言しており、当時の鉄道マニアの“隠れキリシタン”的な雰囲気を感じさせる。

 その吉川が“カミングアウト”できたのは、タモリ(69)の一言だったという。タモリの看板番組「タモリ倶楽部」の中で展開されている『タモリ電車倶楽部』に吉川が出演した時に、タモリから「何も鉄道ファンだったことを隠さなくてもいいよ」といわれて、吉川は「ああそうか、隠さなくていいんだ」と思うようになったという。

 吉川は2006年2月に「タモリ電車倶楽部」の会員(会員No.0009)となり、その後は鉄道ファンであることを売りに、芸能界での地位を確立しつつある。ちなみに、タモリ電車倶楽部では前出の南田マネが会員No.0004、吉川の相方の長嶋が会員No.0017となっている。

 2015年以降の日本は史上空前の鉄道ブームを迎えようとしている。

 3月には北陸新幹線が金沢まで延伸開業し、逆に日本の鉄道の象徴であった寝台特急「トワイライトエクスプレス」「北斗星」が廃止される。ともに前売りチケットを求めて鉄道ファンが窓口に殺到し、切符をネットオークションに転売する騒ぎも起きている。

 数年後にはJR九州のクルーズトレイン「ななつ星in九州」の成功にならい、JR東日本、同西日本もクルーズトレインをデビューさせる予定だ。その流れで、鉄道紹介のテレビ番組も増え、出演者の枠も広がってきている。

 先日、RCC(中国放送)制作の「謎解き物語 地元も知らないニッポン鉄道編」に吉川と長嶋が調査員役で出演していた。同番組には今や鉄道マニアとして有名になってしまった俳優・西村和彦(48)も出演し「このキハ(列車の車体番号)は」とか通ぶりを披露していたが、気になったのはダーリンハニーと同じ調査員で出ていたお笑いコンビ・アンガールズの存在だ。

 番組中でシャレも含めてのことだろうが、ダーリンハニーに“宣戦布告”しているではないか。「お前らの(鉄番組の)出番を全部とってやる!」とほえまくっているのだ。ただただ、苦笑いのダーリンハニーだったが、ここは負ける訳にはいかないだろう。そうじゃなかったら、娘に秋田新幹線のニックネームからとった「こまち」という名前をつけた吉川が報われない。恩人タモリのためにも頑張れ!そして、真の鉄芸人となれ。

  (デイリースポーツ・木村浩治)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

オピニオンD最新ニュース

もっとみる

    ランキング

    主要ニュース

    リアルタイムランキング

    写真

    話題の写真ランキング

    注目トピックス