楽天・則本 揺るぎない開幕投手の座

 楽天のエース・則本昂大が、高い向上心を持ってキャンプに取り組んでいる。

 1年目の13年は15勝で日本一に貢献。田中将大の抜けた2年目の昨季は14勝と、最下位に沈んだチームの中で、獅子奮迅の働きをした。3年目の今季、大久保監督は明言していないが、開幕投手の座は揺るがない。「1年間で12人しかいない。特別な思いがある」という大役への思いを口にした。

 ブルペンでは、昨季終盤に試投した高速シンカー習得に再挑戦。指への負担が大きく、一度は投げるのを断念したが「この現状に納得していない。球種を覚えること、精度を上げることに納得したら終わり。吸収できるものは吸収していく」ときっぱり。球種を増やし、投球の幅を広げていく。

 また、フォーム修正にも着手。「打者が力感を感じない中で、従来の(威力ある)ボールが投げられれば最高」とし「幅50センチの廊下でキャッチボールができるような感じ」と説明した。よりコンパクトなフォームを完成させ、直球の精度アップへとつなげていく構えで、高い意識を持って調整を続ける。

 1月の自主トレでは昨年に続き田中とともに過ごした。「いいアドバイスをいただけ、吸収できるところがたくさんあった」。食事の摂取法を含む調整法や、投球に関する意見交換を重ねた。田中の考えと、自身の考えが合致する部分も多かったといい「方向性が合っているんじゃないかと思った」と自信を深めてキャンプに臨んでいる。

 大久保監督は則本について「こんな寒さの中、肘が痛いとかが出てこない。それが大きい」と目を細める。2月2日の練習開始前の声出しでは「目標はケガしないこと。1年間ローテーションを守ること、そして開幕投手やります。頑張ります!」ときっぱり。その言葉通りの働きができるかどうかが、楽天の浮沈を左右すると言っていいだろう。(デイリースポーツ・野畑圭司)

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