G1・2勝馬不在で年度代表馬は…

 この時季になると頭を悩ませることがある。それはJRA賞受賞馬の選定だ。記者投票により決定するものだが、自分の1票が結果に影響を与えるかもしれないだけに慎重にならざるを得ない。

 今年の年度代表馬を決めるのは難しい作業になりそうだ。3歳は牡馬、牝馬ともに3冠レースの勝ち馬が全て違う。牡馬は皐月賞=イスラボニータ、ダービー=ワンアンドオンリー、菊花賞=トーホウジャッカルで、牝馬は桜花賞=ハープスター、オークス=ヌーヴォレコルト、秋華賞=ショウナンパンドラ。さらにNHKマイルCはミッキーアイルだ。それぞれに一長一短があり決め手に欠ける。

 古馬も、ジャパンCが終了した時点で国内の芝G1を2勝した馬は存在しない。上半期は高松宮記念=コパノリチャード、天皇賞・春=フェノーメノ、ヴィクトリアマイル=ヴィルシーナ、安田記念=ジャスタウェイ、宝塚記念=ゴールドシップ。また下半期もスプリンターズS=スノードラゴン、天皇賞・秋=スピルバーグ、エリザベス女王杯=ラキシス、マイルCS=ダノンシャーク、ジャパンC=エピファネイア。有馬記念の結果次第ではあるが、このまま芝G1の2勝馬が出現しなければ、グレード制が導入された84年以降では初めてとなる。それ以前では、現在G1として行われているレースで2勝馬が存在しなかった年は79年。有馬記念を今年のG1未勝利馬が制すると35年ぶりの出来事になる。まさに混戦ムードだ。

 こうなると年度代表馬を決めるうえで重要になるのが有馬記念。ジャパンCのレース前は、グランプリへの参戦を正式に表明していた有力馬はゴールドシップ、フェノーメノ、ラキシス、トーセンラーで盛り上がりに欠けると思っていたが、JC後には勝ったエピファネイア、2着ジャスタウェイ、4着ジェンティルドンナ、7着ワンアンドオンリーが出走することになった。一転して豪華なメンバーとなり、予想するうえでの難しさもある。

 有馬記念のレース前は勝ち馬の予想、そしてレース後は年度代表馬の選定。今年最後の中央G1は、いろいろな意味で頭を悩ませる大一番になりそうだ。(デイリースポーツ・小林正明)

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