人気の「ドクターX」続編の可能性探る

 女優・米倉涼子(39)主演のテレビ朝日系連続ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(木曜、後9・00)の勢いが止まらない。20日放送の第7話の平均視聴率は22・8%を記録。初回から7話連続で20%台をキープしている。これだけ好調にもかかわらず、続編は当初の予定通り制作しないという。本当に今回で見納めとなってしまうのか。第1シリーズから手がけるゼネラルプロデューサー・内山聖子氏らへの取材をもとに続編の可能性を探る。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)

 「ドクターX-」は米倉演じる病院や組織に属さないフリーランスの女性外科医・大門未知子の活躍を描く。2012年に始まった第1シリーズは同年の民放連続ドラマ1位となる平均視聴率19・1%(全8回)、昨年放送の第2シリーズは23・0%(全9回)を記録した。

 本来ならば第2期で終了だったが、「逃げられないところまでいった」(内山氏)ほど、続編を望む声が多かったことから第3期放送が決まった。

 『最後のシリーズ』と明言し、10月9日に始まった第3期も初回21・3%と好スタートを切った。10月30日放送の第4話は、裏でTBSがソフトバンクが日本一に輝いた日本シリーズを中継していたが、ドラマは23・7%と高い数字を記録。第7話まで20%台を保っている。

 内山氏は、ヒットの要因について、『いたしません』『私、失敗しないので』と語る痛快な大門のキャラクターが「一貫してぶれていないこと」と分析。「今回、失敗するのが怖い、というのが正直なスタートだった。受け入れてもらえてホッとしている」と胸をなで下ろす。

 第3期ヒットの裏で制作陣も奔走している。内山氏は「最終回まで楽しませるのに1本1本必死。ほとんど寝てない。放送直前まで編集して(シーンを)入れ替えています。ワンパターンにみえるんですけど、意外と細かく裏切ってやってます。俳優さんたちも必死」と内情を打ち明ける。

 「米倉さんも私たちも好調だからこそ、今回でアップしたい」と、完全燃焼でのシリーズ完結への思いは変わらない。次作構想を聞くと、「全くその先はない。次やるとしたら(大門が)海外に行くしかない。でも、日本のドラマでは成立しない」。米倉もシリーズものは「苦手」と語っており、制作側も米倉と新たなドラマに挑戦したい意向だ。

 とはいえ、これだけの優良コンテンツをこのまま終わらせるのは局としても惜しいはず。同局は俳優・水谷豊(62)主演「相棒」がシーズン13に突入するなど人気作を生み出している。「ドクターX」も、「相棒」に続くシリーズものとして確固たる地位を確立した。

 続編の可能性を再び問うと、内山氏は「(テレビ局も)数字で反応する。議論にはなる」と視聴率次第で動きがあることを示唆。第2期終了後と同様、今回も高視聴率のままラストを迎えれば、再考の余地はあるという。

 具体的にどれくらいの視聴率ならば続編への機運が高まるのか。業界関係者は「『HERO』を超えるかが鍵になる。今年の民放連ドラ1位となれば、周囲の考えも変わってくる」。SMAP・木村拓哉(42)主演のフジテレビ系「HERO」が記録した今年の民放連続ドラマ1位となる平均視聴率21・3%(全11回)を超え、視聴者の反響があった時、“逃げ切れない状況”が再び生まれる。

 現在7話までの平均は22・1%。12月18日の第11話最終回を迎え、今年の民放連ドラ1位に輝くのか。その先に視聴者の続編を望む声がどれくらいあるのか。放送を終えても「ドクターX」の行方に注目が集まる。

(デイリースポーツ・上野明彦)

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