G・菅野 日本Sで復活ならずも来季へ

 原巨人の2014年シーズンが終幕した。リーグ優勝を経て本拠地・東京ドームで迎えたCSファイナルSは、阪神に4連敗。いいところを見せられぬまま、宿敵に屈した。

 万全な態勢ではなかった。12勝の菅野は右肘じん帯の部分損傷。9勝の大竹は右肩の違和感。レギュラーシーズンを支えたローテ投手2人を欠いた。ファイナルSを初めて突破し、勢いに乗る猛虎打線の勢いは止められなかった。

 本拠地マウンド付近での敵軍による歓喜の輪。一塁ベンチの誰もが悔しい思いをして見つめた。それはテレビの前で見つめた菅野も同じだろう。敗退翌日のジャイアンツ球場。日本シリーズでの奇跡の復活へ向け、懸命に調整を続けてきた右腕は自らを責めた。

 「投げなきゃいけなかったなと。自分がいないことで、チームの士気にも影響したと思う」

 故障さえなければ間違いなく初戦を託されたに違いない。勝利数はチーム最多。防御率2・33で自身初のタイトルも獲得した。特に阪神戦は2勝1敗ながら、防御率は0・86。まったく寄せ付けていなかっただけに、土壇場での離脱は本人にもチームにも痛かった。

 開幕投手を任された今季。「普通なら交代するところでも、長いイニングを投げさせてもらった」。G投の中心としての気概を持ち、投げ続けた。右手中指の腱(けん)の炎症で8月から約1カ月間、戦線離脱したが、9月10日の復帰以降は4試合登板で3勝。9月の月間防御率は0・87。ラストスパートの一翼を担い、存在感を示した。

 故障が重なったこともあり「悔しさの残るシーズンだった」2年目。それでも、長期離脱があったにもかかわらず、貯金7は昨季と同じだった。投手陣の真の柱に向け、着実に階段を上っている。

 目指していた頂上決戦の舞台は消滅した。だが、復帰へのロードマップを変えるつもりはない。「今はすごくいい状態。投げられる体に戻して、来年のシーズンを目指す」。宿敵への雪辱。そして日本一奪回。菅野の戦いはもう始まっている。(デイリースポーツ・野畑圭司)

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