大谷 2桁勝利の次は完投数アップ求む

 日本ハム・大谷翔平が8月26日のソフトバンク戦でプロ初の2桁勝利を達成した。7月16日の西武戦で挙げた9勝を最後に勝ち星から遠ざかっていたが5度目の挑戦で到達。今や、二刀流をこなしながら、チーム一の勝ち頭として君臨する。今後、日本ハムの中心投手として求められることとは。

 厚沢投手コーチは将来的には、かつて在籍していたダルビッシュ有投手のように、完投できる投手になることを期待する。「エースが投げる時はリリーフを休ませる投手にならないといけない。ダルビッシュが投げていた時のように」。今シーズンは開幕から小刻みな継投が多い日本ハム。柱になる先発投手がいなかったことが大きな要因のひとつだ。大谷もここまでの先発20試合でまだ2完投。絶対エースとしてチームを支えたダルビッシュは日本ハム在籍時、1シーズン10完投以上が4シーズンあった。大谷が投げれば、リリーフはいらないとまで思わせるまでに成長することを望んでいる。

 今季もシーズン佳境を迎えてもケガなく二刀流をこなしている大谷が、完投数を増やすにはなにをすべきか。

 大谷はスタミナ面に課題があるわけではない。しかし、厚沢コーチは完投できる投手になるため、1試合の球数を減らすことを求めている。「真っすぐをファウルにされることが多いのが気がかり」と言う。

 8月の先発4試合はいずれも7回以下で120球以上を費やしている。17日の西武戦では7回を投げ終え、降板ながら、プロ最多の149球投じた。大谷も「先発したら七、八回は投げるのは当たり前だと思う」と言い、先発時は長い回を投げることを目標に掲げる。だが、ほかの投手より負担の大きい二刀流。中1日後、野手で出場することを考えると、首脳陣が試合の中盤でも交代させることは仕方がないように思う。

 厚沢投手コーチは言う。「一発で仕留められるウイニングショットがあればいい。打たせてとる球種があればね。チェンジアップとか」。大谷の最大の武器は150キロ超の直球、鋭いスライダー、カーブ、フォークと多彩だが、チェンジアップをマスターすることもひとつの手だと言う。

 ここまで10勝と打率・280以上、8本塁打を放ち、投打両面で結果を残している大谷。その中で、今季、パ・リーグで150奪三振を記録している投手はオリックス・金子と大谷だけだが、理想とする中6日ローテを守りながら野手をこなす二刀流には、三振数を多く積み重ねるより、打たせて取る投球が理想。ここぞの場面で三振を奪うことも魅力のひとつだが、ピンチの場面、1球でアウトを取る。例えば、1死満塁で併殺打に仕留められば、球数に苦しむことはなくなる。“省エネ投法”ができるようになれば、完投勝利のチャンスも増えてくるはずだ。

(デイリースポーツ・水足丈夫)

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