広島ロサリオ「日本で成功したい」姿勢

 プロ野球・広島カープが、首位・巨人の追撃態勢に入った。毎年、鬼門の交流戦では9連敗を喫したが、その後6連勝。再び勢いを取り戻し27日現在、ゲーム差2・0まで迫った。

 好調を取り戻したチームで、起爆剤となっているのがドミニカ出身のロサリオだ。13年に練習生として秋季キャンプに参加。「パワーが強み」と野村監督。紅白戦で本塁打を放つ活躍など、その活躍が評価され今年、年俸1000万円プラス出来高払いの4年契約を結んだ。これまで練習生はまず育成選手として契約。その後支配下登録されていた。ロサリオの“飛び級”は異例。期待の大きさが伺える。

 6月12日に今季3度目の1軍昇格を果たすと、連敗が9で止まった15日のロッテ戦(QVC)から28日のDeNA戦(横浜)まで7試合連続打点。チームに貢献した。

 助っ人大砲の活躍の裏にはどん欲な姿勢がある。来日当初、直球には無類の強さをみせた。しかし「スライダーを投げられると手も足も出なかった」と内田2軍監督。外角へ曲がる変化球にバットはことごとく空を切り続けていた。

 変化球を多投する日本での成功は、打撃を修正するしかなかった。ロサリオは内田2軍監督に指導を仰ぎ、広角に打ち分ける打撃技術の習得に励んだ。「意識させたのはセンターから逆方向へ打ち返すこと。外角の球は右翼側へ。打撃練習ではそればかり言った。熱心に僕の言うことに耳を傾けてくれた」。パワーが持ち味。左翼方向へ引っ張りたい気持ちは強かったはずだ。それでもロサリオはコースに逆らわないスイングを心がけた。「日本で成功したいんだ」。その思いが強かった。

 4月25日の巨人戦(マツダ)で、杉内からプロ初本塁打を放った。外角のスライダーを右翼席に運んだ一発。内田2軍監督とともに練習してきたコースに逆らわない打撃が実を結んだ。まだ、荒削りで確実性も低い。それでも内田2軍監督は「吸収力がすごいし、着実に成長している。楽しみな選手」と目を細める。

 今季は1軍で結果を残しながら2度、外国人枠の影響で2軍降格を余儀なくされた。しかしロサリオは「それは自分で決めることはできない。僕はできることをやるだけ。1軍でも2軍でも結果を出し続けるだけ」と力を込める。

 23年ぶりの優勝を目指す広島。ロサリオは今やチームには欠かせない存在だ。

(デイリースポーツ・市尻達拡)

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