オリックス・ぺーニャの秘密兵器とは

 好調なオリックスを支える屋台骨が4番・ぺーニャだ。17日までの17試合で8本塁打と、チームの白星と同様に開幕ダッシュを続けている。単純計算すれば、このまま144試合出場で70本塁打近くを放つペースだ。

 ソフトバンクに在籍した昨年は、右膝の故障が影響して55試合出場、1本塁打に終わっていた。130試合に出場した2012年でさえ21本。獲得当初、森脇浩司監督も「本塁打タイトルに期待する」と話していたものの「打順は6番くらい」と話していた。昨年までの数字からは、本塁打を打ちまくっている現在の姿は想像しがたいものだったのかもしれない。

 好調の秘けつは何か。並外れたパワーはいうまでもない。身長191センチ、体重118キロの体をフルに使ったスイングは迫力十分。膝に不安がなくなったオフには「下半身トレーニングに力を入れた。スクワットで600ポンド(約272キロ)を挙げるよ」と自慢げだった。

 春季キャンプ中のフリー打撃では、宮古市民球場の左翼後方にあるブルペンを何度も打球が直撃。推定150メートルの打球が屋根を破る“事故”まで起こしている。

 さらに試合前、ぺーニャの姿に注目してみると、バットのグリップ部にクレヨンのようなものを丁寧に塗り込んでいる姿をよく見かける。

 このクレヨン状のものは「マニモタ グリップスティック」という滑り止め。メジャーリーガーの大多数が愛用しており、日本で主に流通しているスプレー式のものに比べ、はるかに強力なグリップ力が得られるものだという。

 「これじゃなきゃダメだ。ハードな感触になるのが好きだから」とぺーニャ。パワーを無駄なくバットに伝える強いグリップ力が、打球の飛距離に欠かせない秘密兵器だ。

 日本でプレーする外国人選手も多く愛用している。オリックスで1番を打つヘルマンに聞いてみると「僕はスプレーとスティック、両方を使うよ」。

 バットを握った時の感触に対するこだわりは、選手によってさまざま。ぺーニャが滑り止めを丁寧に塗り込む行為は、ホームランを打つためのルーティン・ワークのようにも見える。

(デイリースポーツ・中野裕美子)

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