最終戦CS決勝であるべき

 2015年のJリーグが、全日程を終了した。今季から復活したチャンピオンシップ(CS)を制した広島は、自国開催となった10日開幕のクラブW杯に出場するが、Jリーグの公式戦は6日のJ1昇格プレーオフ(PO)の福岡-C大阪戦をもって終了。リーグの公式行事としては年間表彰となるJリーグ・アウォーズ(21日)を残すのみだ。

 「変革の年」と位置づけられた今季のJリーグ。04年以来となるCSの導入や、中立地で行うことを前提としているPO決勝戦が、結果としてC大阪の本拠であるヤンマーで行われたことなど、今後に向けて検討課題を残したことは事実だ。ただ、Jを外から見る人間として、首をかしげたくなったことはそれだけではない。

 現在の国内サッカーのカレンダーがどれほどタイトであるかは承知しているが、残念なのは1年間のシーズンのフィナーレを飾る公式戦の最後がCS決勝の第2戦ではなく、PO決勝だったこと。PO決勝は、来季戦うカテゴリーが決まることもあり、ある意味ではCS決勝よりも勝者と敗者のコントラストは残酷で、強烈だ。だがやはりそれでも、年間のリーグ最終戦という位置づけにふさわしいのは、トップカテゴリーの覇者が決まるCS決勝の第2戦ではないかと思える。

 今季から再導入されたCSは少なくとも今季も含めて3年間、つまり17年のシーズン終了時まで続くことが既定路線だ。今オフ、そして来季以降も2ステージ制の是非について、継続的に議論していくことは必要だが、直近の課題としてはCSを効果的に世の中へ発信する方法を模索することも必要となってくる。

 CSを制した広島は34試合を戦った末に年間最多勝ち点クラブとなり、これまでのリーグ方式ならば、文句なしで優勝だった。広島FW佐藤寿人は、リーグ方式が本来あるべき姿ではないことを口にしつつも、リーグの判断には理解を示していた。その上で「せめてCSが盛り上がってほしい」と訴えていた。ならば、シーズンをCSで締めくくるという表現方法も、少しは大会を盛り上げることにつながるのではないかと思う。

 来季は、11月上旬にJ1の第2ステージの最終節を迎える予定。日本代表の活動期間を挟んで、CSが行われる見込みだ。少しでも国内のリーグ熱が高まるように、Jの内外部を問わずに議論が生まれれば良いと思う。(デイリースポーツ・松落大樹)

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