ハリル氏 米倉選出理由は「戦う意識」

G大阪の米倉恒貴を選出した理由を説明するハリルホジッチ監督=JFAハウス(撮影・村中拓久)
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 日本サッカー協会が27日、W杯ロシア大会アジア2次予選のカンボジア戦(9月3日、埼玉)、アフガニスタン戦(同月8日、イラン・テヘラン)に出場する日本代表メンバーを発表した。新戦力発掘の意味合いがあった8月の東アジア杯出場組からは、フィールドプレーヤーではDF米倉恒貴(27)=G大阪、MF遠藤航(22)=湘南、FW興梠慎三(29)=浦和=が選ばれた形となった。

 中でも「東アジア杯のパフォーマンス」で選んだとハリルホジッチ監督が明言したのが米倉だった。会見での発言をもとに指揮官の考えを探った。

 米倉については、長友の後に「左サイドバックの候補です」と紹介した。1月のアジア杯など、左サイドバックの候補には太田宏介(FC東京)が入っていたが、けがを理由に今回は選考外に。同じG大阪の藤春廣輝と「競争した」末に米倉に白羽の矢が立った。

 ハリルホジッチ監督「戦う意識、そしてフィジカルのところもある。中国との試合では攻撃的に(チームにいい効果を)もたらしてくれて、得点にも絡んだ。ボールに絡んでいた。トレーニングでも彼はすごく戦っているところを見せていた。特に球際のところ。デュエル(決闘、1対1の戦い)ですね。強かったです」

 中国戦では0-1で迎えた前半41分、左サイドを駆け上がると後方の槙野からパスを受け、中央へクロス。走り込んだ武藤雄樹(浦和)の同点ゴールをアシストした。それ以外にも、ハリルホジッチ監督には、1対1でボールを奪いにいく姿勢が高く評価された。

 U-22代表から選出されているMF遠藤航も「デュエルのところもかなり強い」と評価されていることから、球際の強さを相当重視していることが分かる。

 ただ、米倉が左サイドバックの定位置をつかむまでのハードルは高い。指揮官は「左利きがほしい」と話しており、右利きの米倉には向かい風。左足のスペシャリストである太田のコンディションが戻ると、厳しい競争にさらされるだろう。

 だがそれでも、ハリルホジッチ監督は、Jリーグの選手に向け、「私の口から言いたいのはこれはメッセージ(ということ)です」と力説した。「米倉のようなことは起きます。これからも毎試合Jリーグは分析しますし、良い選手と思えば、合宿に呼びたいと思う」と選手層の増強に意欲的だった。

 一方、東アジア杯で2得点と結果を出しながら招集されなかったのは武藤雄樹だ。ノーゴールに終わったFW永井謙佑(名古屋)については「かなり期待したのですが、なかなか結果は出ませんでした」と指揮官も認めながら「戦いましたしスプリントもかなりしてくれました。最後のエリア内のプレーをしっかり彼に教えたい」と教育的な意味も込めたと、招集理由を明かした。「彼のスピード、戦うところはチームに何かをもたらしてくれると思います」と期待もした。

 1タッチゴーラーとして今季、頭角を現した武藤雄樹については、得点を狙う役割に岡崎慎司(レスター)、香川真司(ドルトムント)といった実績があるメンバーが名を連ねていることが大きかったと考えられる。

 興梠は「興梠は大迫(勇也)と競争していた選手」と紹介された。大迫が負傷したため選出したという。大迫と興梠のプレースタイルから見て、万能型のFWを1人手元に置いておきたいと考えているようだ。

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