J差別誤解防止へ 審判委員長が見解
日本サッカー協会の上川徹審判委員長が3日、JFAハウスで今季のJリーグを振り返るブリーフィングを行った。今月6日のJ2福岡-徳島戦で、高山啓義主審が福岡のMF酒井宣福に差別的な発言をしたのではないかとする騒動が起きたことについて、審判側はそうした発言をしていないことを強調した。また、その場で誤解を解く必要があるとの見解を示した。
すでにJリーグの村井満チェアマンが、主審の言葉が意図に反して受け止められたと説明している。接触プレーで倒れた酒井は、高山主審の問いかけに「大丈夫です」と返答し、高山主審が「しゃべれるのか」と反応した。このことについて、ドイツ人の母親を持つ酒井への「日本語能力があるのか」という侮辱の意味に受け止められると福岡が反発していた。高山主審は「プレー続行が可能か」という意味だったとした上で、誤解を与えたことを謝罪した。
この種の問題は両者にとって悪い後味が残る。再発防止へ、上川委員長は「誤解を招いているのであればフィールドで説明すべきだと思います」と、その場で誤解を解く必要があるとした。「(審判に)しゃべるなというのが一番いいのかもしれませんが、それじゃあ解決しないと思います。今回、どこかのボタンの掛け違いがあったのだと思います。しっかりと適切な話をしていく、終わった後、その場で解決していくのが大切かと思います」とした。
こうした騒動はひとたび起きると世間の大きな関心事となる。「誤解してもらいたくないのは、そういうことを言っていないということです」と実際に差別的、あるいは選手を侮辱するような発言はしていないことを強調した。