サッカー代表入りへリカバリー力もカギ

 5月の大型連休。スポーツイベントがめじろ押しである。海の向こうのラスベガスでは、ボクシングの「世紀の一戦」が行われるなど、国内外で多くのイベントが行われている。

 サッカーに関しても、この時期は毎年のように連戦が予定されている。J1は4月29日、5月2、6日と立て続けに行われ、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も1次リーグの最終節が5、6日に行われる。

 各クラブにとっては、興業の面でも重要な時期となっているが、選手個々に目を向ければ、アピールの時期でもある。ブラジルW杯からわずか1年。6月からは18年のロシアW杯につながるアジア2次予選がスタートする。

 5チームによるホーム&アウェー方式の総当たりで行われる同予選。日本は、第1節にあたる6月11日は休みで親善試合・イラク戦(日産ス)が予定されており、予選の初戦は16日のシンガポール戦(埼玉)となっている。日本代表を率いるハリルホジッチ監督は現在、欧州を視察中だが、近日中に再来日する予定だ。

 指揮官が不在の間も、スタッフは国内リーグを精力的に視察。ハリルホジッチ監督が再び日本に戻った際には、各スタッフからの情報が直接、指揮官に伝えられることだろう。だが、やはり監督が自ら見た部分での評価は比重が大きいのではないか。

 ハリルホジッチ監督は、おそらく10日のJ1から国内の視察を再開させ、国内組の候補合宿(12~13日)を経て、6月初旬にはW杯予選に臨むメンバーを決することになる。改めて、代表入りを目指す国内組にとって5月はアピールの場となる。

 フィジカルやテクニックはもちろんだが、個人的に注目したいのが、連戦時の疲労回復能力だ。「リカバリー力」とでも言おうか。6月と10月を除き、2連戦となるW杯予選。アジア特有の長距離移動も避けては通れないだけに、指揮官も予選の日程が決まった段階で「疲労回復が大事になる」と語っていた。

 徐々に暑さを増す5月では、国内組の短期合宿が予定されている3週目を除いて、カップ戦も含めてコンスタントに試合のスケジュールが組まれている。そうなれば、1試合だけのプレーではなく、次の試合までの期間が短い中でのプレーぶり、いわば、前の試合からの回復度合いも大きなアピール材料となるだろう。

 もちろん、リカバリー力というのは、W杯アジア2次予選のためではない。実力差を考えれば、2次予選は全勝、もしくは無敗で抜けて当然だからだ。だが、W杯本大会も中3~4日という日程が組まれると想定すれば、短期間で疲労を抜き、次戦で高いパフォーマンスを見せる選手は、長期を見据えて代表に選ぶ価値のある選手と言える。

 次々と試合がやってくる5月。前の試合で必死に走り回った選手が、数日後には完全復活して、再びピッチを走り回る。それもまた重要な能力の一つだと思う。リカバリー力-。そんなテーマを持って、5月の連戦を眺めてみても、おもしろいのではないか。(デイリースポーツ・松落大樹)

関連ニュース

編集者のオススメ記事

サッカー最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    スコア速報

    ランキング(サッカー)

    話題の写真ランキング

    デイリーおすすめアイテム

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス