加藤 世界ランカーと悔しい引き分け

 「ボクシング・ライト級ノンタイトル10回戦」(20日、後楽園ホール)

 元日本、東洋太平洋ライト級王者・加藤善孝(31)=角海老宝石=が、WBA世界ライト級10位のブランドン・オギルビエ(22)=豪州=と1-0(96-95、95-95×2)の引き分けだった。

 慎重な立ち上がりだった。「出てくる相手と分かっていたので、こちらから出るのを抑えました。ジャッジには、受けに回っていると見られたかもしれない」と、中盤まではポイントを取られた。

 接近戦も多く、得意のジャブも出せない展開。「ジャブが止まってペースが取れなかった」。セコンドからは「ストレートボディーを打て」と指示が飛んだが「もう少し出したかったけど、カウンターを警戒して出せなかった。もっと打てていれば展開が変わったかもしれない」と悔しそうだ。

 それでも終盤は接近戦に打ち勝ち、最終10回には、オギルビエが右手を痛めるアクシデントもあり、完全に加藤ペースだっただけに、悔しさも募る。

 大事な試合だった。 世界挑戦を視野に昨年1月、日本王座を返上したものの、10月に原田門戸(横浜さくら)に判定負け。今年2月にはインドネシア・ジャカルタでWBOアジア・パシフィック王者のダウド・ヨルダン(インドネシア)に挑んだが9回負傷判定と連敗中。

 世界ランカー相手を下して、再び世界戦線に名乗りを上げるつもりだったが、次回に持ち越しとなった。「せっかくチャンスをつくってもらったのに、申し訳ない」と、不完全燃焼の悔しさをかみしめていた。

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