ドゥラメンテのパフォーマンスは最高
「皐月賞・G1」(19日、中山)
少々後味の悪さを残した、との意見もあるだろう。4コーナーでドゥラメンテが見せた“大斜行”により、複数の馬が走行を妨害されたことは確か。とはいえ、この勝ち馬が圧倒的な能力を示したことに変わりはない。
ゴール前は馬なりのままで記録した上がり3F33秒9は、次位に0秒6差をつけて断トツ。前・後半5Fが59秒2-59秒0=1分58秒2の一貫ラップを突き抜けており、数字的な価値は、ハイペース(前半5F58秒0)に引っ張られたレコード決着の13年=1分58秒0(ロゴタイプ)より数段上だ。レース歴代最高レベルのパフォーマンスと言っていい。
問題のシーンは、ミルコ・デムーロ騎手によれば、初の右回りに加えてファンの歓声に驚いたという。開催日4日間の騎乗停止を科せられたのはやむを得ない。一方、厩舎サイドにも責任はある。下手をすれば大事故につながりかねない斜行だっただけに、精神面の改善は急務だろう。
国内屈指のチーム力を誇る美浦・堀宣行厩舎がこのあと、ドゥラメンテの幼さを封じ込めた際には、一体どれだけの走りが見られるのか-。今年の皐月賞は冒頭でも触れたように後味の悪さを残しつつも、無限の夢、可能性をも感じさせた。