今くるよ いくよさんへのお別れ全文

今いくよさんの遺影の前でスピーチする今くるよ=大阪市中央区のなんばグランド花月
 今いくよさんのお別れの会に参列後、取材に応じる相方の今くるよさん=4日夜、大阪市
今いくよさんのお別れの会でスピーチする今くるよ=大阪市中央区のなんばグランド花月
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 胃がんのため5月28日に死去した、女性漫才コンビ「今いくよ・くるよ」の今いくよさん(享年67)のお別れの会が4日、大阪市のなんばグランド花月で開かれた。親族、芸人仲間、関係者ら約1000人が出席。発起人の1人である今くるよ(年齢非公表)は最後にあいさつに立ち、40年以上連れ添った最愛の相方との思い出話や最期の様子をあらためて紹介。出席者に対し、「いくよちゃんのこと、絶対に忘れんといてください」とお願いした。

 【今くるよスピーチ全文】

 本日はお忙しい中、お暑い中、ご来場いただきましてありがとうございます。すばらしい、心温まるたくさんのメッセージ、本当にありがとうございました。今の思い出シーンを見てますと、もう1回まあはん(いくよさん=本名・里谷正子)と漫才がしたいなと思って…。

 いくよちゃんは、ほんまに仕事に一生懸命でした。出るたび、出るたび、ヘアスタイルも違うし、アクセサリーも毎回違っていました。私だけですわ。こんな変わらへんの。ヘアスタイル一緒やしね。いくよさんのヘアスタイル、今ゆっくり(VTRを)見たら、毎回違いますし。

 いくよさんは特に中途半端が嫌いな方で。学生時代に(ソフトボール部の)キャプテンやってましたし、私はマネジャーやったしね。一生懸命でした。漫才も一生懸命でした。ネタ合わせをしても、1週間で覚えなあかんやつを常に2日で覚えていました。どこかで努力してたんですよね、誰よりも。ほんまにすばらしい相方やったと思います。

 一生懸命、漫才に復帰したかったんです。私は心から応援していました。元気ですし、長いお付き合いさせてもらっていますが、「つらい」と言わなかったし、「しんどい」と言うたこともないし、「もう、あかんわ」と言うたこともないし。一生懸命でした。

 最後の3日間は看護師さんにギャグも言い、2日前からもう意識不明になりましたけど。生きたい、本当に生きる準備、復活する準備をしていました。病院の周りを毎回、私に黙って散歩、ウオーキング。1周10分かかるところを「今日は5周したんよ」って。毎日、毎日、準備体操して、体を鍛えていました。もう、ほんまにまさか、まさかやったと思います。

 最後の2日前はもう意識もなかったです。でも、足をこすって少しでもと思いましたけども、何のリアクションもなかったし。山を越えて3日目は、すべての数値がゼロになって、先生も下を向かはりましたし。そして、皆さんが、ちょっと間を置いてびっくりして「まあはん!大丈夫か!頑張りや!大丈夫か!どうした!」と言うたら、筋がピコンと動いたんです。ほんまですねん。家族みんなでびっくりしましてん。気ぃ遣いですねん、気ぃ遣い。せやからね、「皆さん本当にお世話になりました。ありがとうございました」というお礼やったと思います。

 私はすばらしい相方と仕事させていただいたんやなと思って。今日は本当に、皆さんのすばらしい数々のお言葉、ありがとうございました。私、こんな素晴らしい人と、ずーっと40年、「あと2年したら45周年、頑張ろうか」と言うてたのに。いまだに信じられませんけど「もし、もし、できたらええな」と何回も言いました。で、一生懸命闘ってたんやな。

 皆さん、お願いがあります。いくよちゃんのこと、絶対に忘れんといてください。もし忘れそうになったら、大阪ですから御堂筋を歩いていてくれはった時に「ああ、くるよが言うとったな」と思い出したってください。本日はどうもありがとうございました。

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