胃がんのため５月２８日に死去した、女性漫才コンビ「今いくよ・くるよ」の今いくよさん（享年６７）のお別れの会が４日、大阪市のなんばグランド花月（ＮＧＫ）で開かれた。親族、芸人仲間、関係者ら約１０００人が出席。いくよさんが多くの人から愛され、慕われていたことを証明するように客席は“大入り満員”で埋められた。

　５月１１日、相方の今くるよさん（年齢非公表）と務めた生前最後の舞台から８５日。慣れ親しんだ“ホーム”にいくよさんが帰ってきた。舞台中央に設けられた祭壇にはやさしい笑みを浮かべるいくよさんの遺影があった。

　ＮＧＫでのお別れの会開催は芸人では初。ロビーにはくるよとの数々のツーショット写真や華やかな細身の舞台衣装、生前に愛用したつけまつげセットなどが飾られた。

　発起人の吉本興業・大崎洋社長（６２）らのあいさつに続き、笑福亭仁鶴（７８）、西川のりお・上方よしお、ザ・ぼんち、桂文枝（７２）らがいくよさんとの思い出を語った。仕事の都合で出席できなかった郷ひろみ、明石家さんま、西川きよしからビデオメッセージが寄せられ、内海桂子、福山雅治、大阪市の橋下徹市長らからは電報が届いた。

　最後にあいさつに立ったくるよは４０年以上連れ添った最愛の相方との思い出話や最期の様子をあらためて涙ながらに紹介。出席者に対し、「いくよちゃんのこと、絶対に忘れんといてください。もし忘れそうになったら、大阪ですから御堂筋を歩いていてくれはった時に『ああ、くるよが言うとったな』と思い出したってください」とお願いした。

　「御堂筋、堺筋、なにわ筋」などと、細身のいくよさんをネタにしていたコンビの代表的ギャグになぞらえてスピーチを締めると、会場には花吹雪が舞い、松田聖子の代表曲の一つ「あなたに逢いたくて」が流れ、大きな拍手で包まれた。その後はオルゴールが奏でる音色をＢＧＭにくるよを筆頭に出席者が献花して、いくよさんとの別れを惜しんだ。