歌舞伎俳優の中村勘九郎（３３）が３０日、「大坂の陣４００年記念　大阪平成中村座」（１０月２５日～１１月２６日、大阪城西の丸庭園内特設会場）を開催することになり、大阪市内で会見した。「大阪平成中村座」は、１２年１２月に父・中村勘三郎さんが亡くなってから初めてで、すでにファンの間で人気の「隠れ勘三郎」と題したイベントも行われる予定。

　「隠れ勘三郎」は、勘三郎さんの目がプリントされたものを会場に１８カ所設置される予定。勘九郎は「ディズニーランドが好きだったので『隠れミッキー』ならぬ『隠れ勘三郎』を」とアピール。「（東京での）公演でやったんですが、お客様が中村座を歩いてくれた」と好評ぶりを紹介した。

　勘三郎さんは１０年１２月に特発性両側性感音難聴を発症。同年秋にも「大阪平成中村座」を公演しており、勘三郎さんの当時の様子を「『おかしいんだよ。冷たいだろ、手』と言ってまして。お酒も飲んでいなかった」と振り返った勘九郎。「西の丸庭園を歩くのが嫌です。父がどういう気持ちで歩いていたんだろうと思いながら（公演中は）歩くんでしょうね」と話した。

　同公演は「大坂の陣４００年」にちなんだ演目「三升猿曲舞」などを用意。勘九郎は「太閤（たいこう）さまにゆかりのあるものをやりたいということで。立ち回りもあって派手。スカッと見られます」と手応え。「今まで父ありきでしたが、座元として色んなところに目を配らないと」と意気込みを見せた。