又吉直樹 負けとされる人達こそが主役

 芥川賞を受賞したお笑いコンビ、ピースの又吉直樹(35)が20日、NHKの「Face To Face 又吉直樹~人間観察が生む創造力~」(後2・30~)に出演し、芸能界において「負けとされる人たちこそが主役」と独自の視点を明かした。受賞作「火花」にもその考えが影響しているという。

 又吉は日本文学者のロバート・キャンベル氏のインタビューに答えた。キャンベル氏から「多くの人が読んでいる。予期していたか」と問われると、「こんなに反響があるとは思ってなかった」と、よもやの展開だったことを述べた。

 「なぜいまフィクションを書く衝動が起きたのか」との質問に又吉は「コントやったり、漫才やったり色んな活動をしている。1人で芸をやったりとか。長い芝居の脚本を書いたりとか。いろいろやってきた。エッセイもコラムも。書評も…」とぽつりぽつりと述べた。

 書くことに関わってきた中、「小説はお笑いと同じくらい近い距離で接してきた大好きなものやったんで、いつか書いてみたいという気持ちはあった」と以前から小説に取り組みたいと考えていたことを明かした。

 キャンベル氏が「漫才師じゃない、もうちょっと俯瞰的に世の中のことを見ているのかなと思った」と読後の感想を述べた。

 又吉は「気をつけたのは本当のお笑い論になるのではなく他のテーマ、他の職業に置き換えることが可能かと。それは考えた」と幅広い層に読まれることを意識していたという。本好きの又吉は「大阪から上京して10年以上、お笑いでご飯が食べれずに、日々本を読んで。本で空腹をしのいだ時期があった」と読書が支えだったことを振り返った。

 当時、又吉は「俺らの存在は社会的に見たら本当にムダなのかってことを、そんなことばかり考えていたんです」と“売れっ子”になれないことにさまざまな考えがよぎったことを明かした。

 雌伏の期間が長かった又吉は、芸能界を見る目も変化していったようで、「いわゆる東京ですごい大成功を収めるスターの人たちがいて、それがエンターテイメントの世界とみんな思っているけれど、実は売れた人間だけが目指して正解で、売れてない人たちは全員目指したことが間違いやったかというと…間違いと錯覚しがちですけど、その人たちがいなければ成功者が登る山もずいぶん低いものになっている。負けとされる人たちの存在が無茶苦茶…」と独自の視点を述べた。

 続けて、「(売れた人間の)勝ち方であったりとか、勝った人の作る作品に(負けとされる人たちは)影響を及ぼしているというのがあって。その人たち、実はそっちが主役なんじゃないかというのは…今回のテーマでそれを書こうと思ったわけじゃないんですけど、書いていくうちにそれが出たんでしょうね」と自己分析した。

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