原田眞人監督 安倍政権を痛烈批判
映画「日本のいちばん長い日」(8月8日公開)の完成披露試写会が15日、東京・丸の内ピカデリー1で行われ、舞台あいさつに立った原田眞人監督(66)が安倍政権を痛烈に批判した。
作品は作家・半藤一利氏(85)の傑作ノンフィクションを完全映画化。太平洋戦争終結の舞台裏、日本の未来のために身をていして戦った人々の物語で、終戦70年を迎える今年にあらためて史実を問う内容となっている。陸軍を代表しながら、天皇の身を案じて苦悩する陸軍大臣・阿南惟幾を役所広司(59)、昭和天皇を本木雅弘(49)、戦争継続を主張し、蜂起する若手将校役を松坂桃李(26)が演じる。
原田監督は舞台あいさつの最後に客席へのメッセージとして「今の日本で何が起こっているのかを一つの結びとします。きのうの安倍首相の答弁をテレビなどで見てましたが、安倍首相の言葉を借りるならば、能力のない政府が総合的な判断して民意を無視していく状況がこれから続いていくような気がします」と安倍政権を切り捨てた。
そのうえで「民意のなかった70年前以前の日本の状況の中で、阿南や天皇が国民を救うためどう決断したのを考えるのはいい機会。民意とは何か?国民を救うとは何か?70年前の根っこにひるがえって、そして今の日本の状況を見て、日本はどうしたらいいのか考えてほしい」と強く訴えた。
原田監督は安倍政権ばかりではなく「腹が立つのはこの作品を4県で上映してくれないんですよ」と山梨、富山、徳島、高知県を挙げ「知人がいたら映画館に抗議の電話をするように言ってください」と懇願していた。