「天地人」原作者死去 妻夫木が追悼

 NHK大河ドラマ「天地人」の原作にもなった同名の歴史小説などで知られる作家の火坂雅志(本名・中川雅志)さんが26日、急性膵炎(すいえん)のため神奈川県内の病院で亡くなった。09年放送の同ドラマに主演した妻夫木聡は、舞台出演のため滞在中のパリから所属事務所を通じて「火坂さんから学ばせて頂いたその仁愛の心 きっと僕だけでなく、多くの人の心に刻まれたことでしょう」と追悼のコメントを発表した。

 火坂さんは、「天地人」終了後も、妻夫木の出演作を見てはメールで感想を伝えてくれるなど交流があったといい、「時には励ましてくれ、時には冗談を言って笑わせてくれる。本当に仁愛の溢れた心優しい方でした」と振り返った。

 「天地人」を通して伝えたのは「仁愛」の心。ドラマでも妻夫木演じる直江兼続が「愛」という文字を額の部分に掲げた兜(かぶと)を着用していた。

 ドラマ撮影前には「慈愛」の精神を訴え、撮影終了時も「愛ある現場だった」と涙で振り返った妻夫木。「火坂さんが描く天地人の中で、義とは何か、愛とは何か、人間が生きる上で向き合っていかなければいけないこと、人としてのあるべき姿について考えさせられました」「どうか安らかにお眠りください 心からお悔やみ申し上げます」とつづった。

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