曽祖父から続く上方歌舞伎の名跡を継いだ四代目中村鴈治郎（５６）が２７日、東京・浅草寺でお練り成功祈願を行い、すい臓がんのため２１日に死去した歌舞伎俳優・坂東三津五郎さんとの思い出を語った。

　鴈治郎は浅草を舞台にしたＮＨＫ連続テレビ小説「おていちゃん」（７８年）で三津五郎さんと共演。芝居がうまくいかなかったときに、三津五郎さんから助言を受けたことを懐かしそうに振り返り、「役者として礎（いしずえ）となるアドバイスをいただいた」と感謝した。

　東京・歌舞伎座の襲名披露「四月大歌舞伎」（４月２～２６日）に向け、「兄さん（三津五郎さん）にみてもらうつもりで頑張りたい」と意気込んだ。

　成功祈願では父・坂田藤十郎（８３）らと練り歩き、１万２０００人から歓声を浴びた。鴈治郎は「『おていちゃん』で浅草の方とつながりを得た。三津五郎のお兄さんも出ていらした。もっともっと愛していただける役者になります」と誓っていた