引退の西野友毬、トップでノーミス演技

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(27日、真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)

 女子フリーが行われ、今季限りで現役を引退する西野友毬(ゆうき、22)=明大4年=がノーミスの演技を披露し、コーチの樋口豊氏とともに号泣した。西野はフリーで101・52点をマークし、ショートプログラム(SP)との合計を151・32点とした。

 前日のSPでは49・81点と振るわず、21位発進。「昨日はやけ食いで、とんかつを食べました」と気持ちを切り替えたこの日は、フリー進出24人中1番目の演技となったが、冒頭の3回転ルッツ-2回転トーループのコンビネーションを成功させると、次の3回転-2回転-2回転、さらに以降のジャンプすべての着氷を鮮やかに決めて演技を終えた。

 場内はまるで最終グループでの演技者に送るような歓声が沸き起こり、多くの花束が投げ入れられるなど感動的なシーンとなった。

 鼻にティッシュをあてがい、目を真っ赤に腫らしながらインタビュー・エリアに姿を現した西野は「良かった~。ジャンプで全部(氷に)降りられるとは思ってなかった。(演技中は)あれっ、あれっ、うそみたい!という気持ちでした。練習でもノーミスは1週間に2度くらいなのに」と、感激の表情を見せた。

 東京の武蔵野中・高でのジュニア時代は世界ジュニア選手権5位、ジュニアグランプリ(GP)ファイナル3位などの成績を挙げて明大に進学。シニアでのトップクラスを目指したが、来年1月4日からのインカレ(日本学生氷上選手権)を最後に競技生活を終える。「東日本で上位にいても、ほとんど西日本の選手が強いし、東にも若い子でうまい選手が出てきた。早く引退して良かった」と、やりきった感を体いっぱいに表した。

 これまでの競技人生を振り返り、西野は「つらいつらいつらいから、良かったと思えた時が楽しかった」と表現。演技後は樋口コーチからも「先生も泣いちゃったよ」と祝福され、「スケートは個人競技だけれど、1人じゃここまでこられない。周りの方や先生へは感謝の気持ちです。最後のインカレではSPもそろえて先生をまた泣かせ、自分も泣きたい」と話した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

スポーツ最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(スポーツ)

    話題の写真ランキング

    写真

    リアルタイムランキング

    注目トピックス