シード外「明治の神様」が4強入り

 「卓球全日本選手権・第6日」(17日、東京体育館)

 男子シングルス準々決勝が行われ、シード外から勝ち上がってきた神巧也=じん・たくや(21)=明大=が、元全日本王者の吉田海偉(33)を4-0で下し、初の4強入りを果たした。準決勝には他に、2連覇を狙う水谷隼(ビーコン)、12年度王者の丹羽孝希(明大)、12年ロンドン五輪8強の岸川聖也(ファースト)が進出した。

 「明治の神様」が、まさに“神がかり”的な勢いで4強入りを果たした。

 明大4年の神が、04、05年度王者の吉田相手にパワフルなショットで次々とポイントを奪い、終わってみれば4-0のストレート勝ち。16日の6回戦勝利後、絶叫しながら倒れ込む派手なガッツポーズで会場を沸かせた21歳は、この日は勝利の瞬間を静かにかみしめた。

 2回戦から出場のダークホースは、シード選手を次々と退けてきた。特に16日の6回戦は、上位候補の現学生王者・大島に0-3とリードされながら、4ゲームを連取し、崖っぷちから勝ち上がった。

 珍しい「神」という名字で、周りからは「かみさま」と慕われている大学4年生は、11年に全日本学生王者に輝いたが、腰の故障で伸び悩んだ。過去の全日本でも4回戦が最高。「名前負けして恥ずかしかった」と振り返るが、ベスト4入りで注目度は格段に上がる。初のランク入り(ベスト16)を決めた前日には、友人から祝福のメッセージが届いた。「すごいね。びっくりしています」

 ロックバンド、ミスターチルドレンの大ファンでもある神は、大会中もシャワーを浴びながら毎日ミスチルの曲を聞いて気合を入れている。「グッと来るような曲がいっぱいあるので、大好きです」。中でも、昨年発売された「足音」が最近のお気に入りだ。

 「夢見てた未来は それほど離れちゃいない また一歩 次の一歩 足音を踏みならせ!(『足音』)」

 夢の日本一まであと2歩。「ずっと、こういう場所を目指してきた。フワフワした気持ちはない」と、浮つくことなく頂点を見据える。ダークホースが、大舞台で誰よりも大きな足音を踏みならす。

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