13歳樋口SP3位「明日もミスなく」
「フィギュア全日本選手権、第2日」(27日、長野ビッグハット)
女子ショートプログラム(SP)が行われ、全日本ジュニア優勝の13歳、樋口新葉(わかば、日本橋女学館中)が64・35点の高得点をマークして3位につけ、堂々のシニア大会デビューを果たした。
66・60点を出した本郷理華(18)=愛知みずほ大瑞穗高=が首位に立ち、64・48点の宮原知子(16)=関大高=が2位。高校生と中学生が上位を占めた。
11月の全日本ジュニアを制した新星は、初めての大舞台でも全く臆するところはなかった。樋口は冒頭のダブルアクセルを難なく決めると、スピードに乗ってトリプルルッツ、トリプルトーループを決め、後半に入ってもトリプルフリップでフワリと着氷。次々と大きくなる場内の歓声と手拍子に後押しされて軽快に滑りきると、両手で大きなガッツポーズをつくった。
この日フジテレビ系の中継で解説を務めた06年トリノ五輪金メダリスト・荒川静香さんは、躍動感あふれる演技に「素晴らしかったですね。自分の力を出したいときに出せるというのは本当に素晴らしいこと。何と言っても1つ1つの技が確実でした」と絶賛。ソチ五輪8位の鈴木明子さんも「見ていて気持ちがいい、そんなはつらつとした演技。お客さんの期待感もすごく伝わってくる演技でした」と興奮気味に評した。
樋口本人は、どこまでも初々しい。自身シーズンベストとなった高得点にも「すごく緊張していたので何も覚えてないんですけど、シニアの全日本で高い得点が取れたっていうのはすごくうれしいです」と、恥ずかしそうに笑った。
28日のフリーに向け「明日もしっかりミスなくできるように、公式練習からしっかり集中してやっていきたいです」と、「しっかり」を連発して意気込んだ。72年大会の渡部絵美以来42年ぶりの13歳V、そして12年大会に中3で3位に入った宮原知子以来2年ぶりの中学生表彰台の期待がかかる“平昌五輪の星”が、いよいよシニアの舞台で真価を見せ始めた。