楽天・則本の弟がリーグ戦デビュー

 「関西学生野球リーグ、近大3-1関大」(20日、南港中央野球場)

 近大の則本佳樹投手(4年・北大津)が、リーグ戦初登板を果たし、1イニングを3者凡退に抑えた。兄は楽天で活躍する則本昂大投手。大学3年までに右肩、右肘に計3度のメスを入れた右腕が、待望のリーグ戦初マウンドを踏んだ。

 「やっぱり実戦は楽しいですね」と笑みを浮かべた則本。2点リードの九回からマウンドを託されると、最速140キロの直球を主体に関大打線を3者凡退。鮮やかに試合を締めた。

 「本当にケガが続いていたんで」とリーグ戦初登板の喜びを噛みしめた。北大津3年時に夏の甲子園に出場し、兄の背中を追ってプロを目指すために近大へ進学した。だが待っていたのは度重なる故障。右肘の遊離軟骨や、右肩の血行障害が発覚し、計3度もメスを入れた。

 投球練習ができるようになったのは3年の秋から。「結構、あきらめそうになったんですけど、お兄ちゃんの存在だったり、チームメートが一緒にトレーニングしてくれたので」と周囲に支えられ、苦しいリハビリを乗り越えてみせた。

 今後は社会人野球を目指しており「いつか兄と対戦したいし、一緒のチームで投げられたらという思いがある」と力を込める。兄の背中を追って入った少年野球チームでも右肘を故障し、いったんは野球の道をあきらめたという。

 それでも再びボールを握ったのは、兄に追いつくため-。侍ジャパンでも活躍する兄には「報告はしません。笑われるだけなので」と苦笑いで明かした。いつか肩を並べられるその日を目指し、これからも右腕を振り続ける。

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