「春季高校野球京都大会・準々決勝　龍谷大平安５×－４京都外大西（延長１０回）」（８日・わかさスタジアム京都）

　センバツ４強の龍谷大平安がサヨナラ勝ちで４強へ進出した。同点の八回１死一、三塁から登板した市岡奏馬投手（３年）が３回１／３をパーフェクトに抑え、６三振を奪った。

　絶体絶命のピンチでマウンドに上がった市岡だったが、そのたたずまいは余裕すら感じさせた。センバツで残した結果が、自信へと変わっていた。今大会初登板で、いきなりスクイズを仕掛けられたが「（捕手の）竹葉が動いたら外そうと思った」と落ち着いて直球をたたきつけ、打者は空振り。三塁走者をタッチアウトにして２死までこぎつけると、最後は打者を空振り三振。鮮やかにピンチを脱した。

　以降は１人の走者も許さず、６Ｋを積み上げた左腕。チームのサヨナラ勝ちを呼び込み、原田英彦監督は「夏は市岡１人だと厳しいので、他の投手に抑えてほしかったんですが…。でもセンバツから戻ってきて、しっかりしてきましたよ」と目を細める。

　センバツ後は激闘の疲労が抜けなかったという。それでも「緊張感を持ってやってきました」と力を込める市岡。そんな成長した姿を見て、原田監督は新チームから導入してきた橋本とのＷキャプテン制を市岡へ一本化する方針。伝統校の大黒柱として飛躍を果たした事実を、圧倒的な存在感が示していた。