「東京六大学野球、立大５－４法大」（１６日、神宮球場）

　立大が逆転サヨナラ勝ちで、今季初戦を飾った。今秋ドラフト候補の沢田圭佑投手（４年・大阪桐蔭）が４失点完投で、現役最多のリーグ戦通算１９勝目を挙げた。

　２点リードの九回に３安打を浴びて一度は逆転を許した右腕。微妙なタイミングでセーフになる判定や失策も重なったが、これまでのように、落胆や不満を表情に出すことはなかった。ベンチに引き揚げても、声を出してチームを鼓舞した。

　その裏、先頭打者が出塁すると、溝口智成監督に代走・二角の起用を進言。途中出場した二角は、相手の暴投で二塁から一気に同点のホームを踏み、サヨナラ劇につながった。主将に就任したことで成長したエースに、指揮官も「自分の投球だけじゃなく、チームを見てくれている。よくやってくれている」と目を細めた。

　「今までは自分が勝てばはしゃいで、負ければ落ち込む、子供のような野球をしていた」と振り返った沢田。「自分は助けてもらってラッキーとしかいえない。打たれたのは悔しいけど、野手が力を出して逆転して、チームとしてはありがたい勝利」と、主将らしく開幕星を喜んだ。