プロ野球視聴率 1、2戦、福岡で好調

 プロ野球の日本シリーズは第2戦を終えた時点で、工藤公康監督率いるパ・リーグのソフトバンクがセ・リーグのヤクルトに2連勝というスタートとなった。ただ、日本球界の頂点を決める大会でありながら、テレビ中継の関東地区での世帯平均視聴率は2試合とも1桁と振るわない。テレビコンテンツとしての野球中継の価値について、在京キー局社長の会見での発言からまとめた。

 今年の日本シリーズの視聴率はTBSが中継した24日の第1戦が平均9・3%(午後6時30分から9時39分)で、テレビ東京による25日の第2戦は午後6時30分から7時までが7・7%、7時から10時18分までが7・3%と高いとは言えなかった。

 第3、4、5、7戦の中継を担当するフジテレビの亀山千広社長は23日の定例社長会見で、野球中継を「重要なコンテンツとは思っています」と明言した。と、同時に「フジテレビのことだけを考えれば、当然、レギュラーシーズンで数字をとったりはなかなかしないので苦しい」とも語った。これは、一般的に視聴率報道で用いられる関東地区での視聴率が伸び悩んでいることによる。

 一方、亀山社長は「30%の視聴率を広島地区で広島戦をやればとる」と地方に目を向け、「系列ネットワークの宝のコンテンツであると考えるべき」と主張した。事実、今年の日本シリーズも、ソフトバンクの本拠地・福岡市が含まれる「北部九州地区」の世帯平均視聴率は好調だった。第1戦は29・9%(RKB毎日放送)。第2戦は午後6時30分から7時までが15・5%、同7時から10時18分までが24・4%(TVQ九州放送)と地元のヤフオクドームで行われた2試合を、多くの人がテレビで観戦したことが分かる。

 第6戦を中継するテレビ朝日の吉田慎一社長も27日の定例会見で、「野球自体は地域によって非常に好結果を生むことがあります」と地域性を重視した。また、第6戦は日本一の決定試合となる可能性もあり(当然、それまでに日本一が決定し中継がなくなる可能性もあるが)、「日本一がかかるとまた違う結果が生まれるのではないかと(思う)」とシリーズの盛り上がりに期待した。

 別角度の視点で、亀山社長は「CSでは別格のコンテンツ」と、地上波以外で視聴する層がいることも重く見ている。さらに、「ライブショーという意味で言うと、毎日5万人集めてコンサートをやっているようなもの。これはすごい」と、野球そのものの求心力は大きいと評価している。

 BS、CSと視聴するチャンネルが増えたこと、人々の娯楽が多様化したことを踏まえても、民放キー局にとって野球を中継する意義は十分にあると考えているようだ。(記事中の視聴率はすべてビデオリサーチ社調べ)

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