大阪偕星が初の甲子園 スクイズ決めた

甲子園の切符を手に入れ、歓喜に沸く大阪偕星ナイン=舞洲(撮影・田中太一)
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 「高校野球・大阪大会決勝、大阪偕星学園4-3大体大浪商」(31日、舞洲)

 大阪偕星学園が36年ぶりの夏の甲子園を目指した古豪・大体大浪商を下し、初の甲子園切符をつかんだ。これで甲子園に出場する49校がすべて出そろった。大会は8月6日から15日間の日程で行われる。

 ゲームを分けたのは1-1で迎えた六回だった。1死から西岡大和内野手(3年)の右翼線二塁打とバッテリーエラーで三塁まで走者を進めた。カウント1-1から4番・田端拓海捕手(3年)に出たサインはスクイズ。ウエストボールに飛びついてファウルに逃れた。

 しかし、これでひるむことなく1ボールを挟んだ5球目。今度はスリーバントスクイズを敢行。外角ボール気味の直球を見事に一塁線上へ転がし、貴重な勝ち越し点を奪った。

 5回戦の東海大仰星戦でもスクイズを決めていた田端。その試合後には「バントはあまり得意じゃないですけど、しっかり決められて良かったです」と語っていた。山本皙(せき)監督(47)も「きっちりきっちりやっていかないと。そういう練習もしてきたんで」と貪欲に1点を追い求める野球を指導してきた。

 それが決勝の舞台でも見事に決まり、中盤はピンチの連続だった試合の流れを変えた。続く七回には1死二塁から9番・的場の右翼線適時二塁打で貴重な追加点をたたき出した大阪偕星学園。八回に1点差に迫られたが、九回には2番・戸嶋の左前適時打で突き放した。その裏には無死満塁のピンチを迎えたが1失点に抑え、1点差で振り切った。大阪桐蔭を破った勢いそのままに、初めて大阪の頂点へ駆け上がった。

 試合終了の瞬間、両手で顔を覆った山本監督は、マイクを向けられても涙で言葉にならなかった。「いろんな思いが本当に…。みんな苦労して苦労して、本当にもうしんどいめして頑張ってくれて…。本当にいろんな人たちの支えがあって野球をやらせて頂いて感謝感謝で胸がいっぱいになりました」

 突き放しても突き放しても食らいつかれる展開に「先に点を取ってるんですが、なかなか決定の1本が出ずに本当に苦しい試合展開でどんどん追いつかれてきて、いつひっくり返されてどうなってもおかしくなかった。余裕っていうのが全くなくて本当にいい試合だったと思います」と興奮と感激さめやらぬ様子で振り返った。

 勝ち越しスクイズを決めた田端主将は「みんなが暑い中で応援してくれたんで、それがバットに伝わったと思います。大阪の全部のチームの思いを背負っているので、思いきって全力でプレーしてきます」。激戦区大阪を初めて制した重みは十分にわかっている。

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