「高校野球・奈良大会２回戦、天理４－１智弁学園」（１９日、佐藤薬品）

　昨夏決勝と同じ顔合わせになった一戦は、天理がプロ注目・船曳海外野手（３年）の２打席連続アーチなどで逆転し、４－１で初戦を突破した。

　１点を先制された直後の三回、２死走者無しから船曳が高めの直球を完ぺきに捉えた。打球はきれいな放物線を描いて右翼席に着弾した。橋本監督が「主将のエラーから先取点を取られたけど、よくカバーしてくれた」と最敬礼の同点弾。だがこれだけで終わらなかった。

　五回２死一塁からの第３打席はカウント３ボールから高めの直球をフルスイングした。「左中間を抜くイメージだった」と言うが、打球は右翼ポールを巻く２打席連続アーチ。直前には無死二塁からバントミス、けん制しで一気に２死走者無しと流れが相手に傾きかけていた。

　それを覆し、完ぺきに主導権を引き込んだ２打席連続アーチ。初戦から智弁学園と対戦することで「最初はおいおいと言う雰囲気でしたけど…。相手がどこであれ自分たちの野球をすれば負けないと思うので」と春夏連続出場へ、最初のヤマ場を乗り切った。