東海大四 ヒーローがベース踏み忘れ
「選抜高校野球・準々決勝、東海大四1-0高崎健康福祉大高崎」(29日、甲子園)
東海大四が権-大沢の完封リレーで、春夏通じて初のベスト4入りを果たした。0-0の五回、先頭の6番小川が右前打で出塁。送りバントで1死二塁とすると、ここまで4回5安打無失点と好投していた先発権(ごん)の代打として、今大会初出場の背番号15、吉田祐真内野手(3年)が打席に入った。
健大高崎の橋詰のスライダーを強振した打球は右中間へ。二塁打性の当たりで二走は先制のホームイン。しかし、打者走者は一、二塁間でストップして慌てて一塁へと戻った。
試合後、お立ち台に立った吉田は「一塁ベースを踏み忘れた。(雨で)ぬかるんでいて足を取られて…。大舞台だとテンパっちゃうんです」と冷や汗。ベンチで仲間がガッツポースする姿が見えたが、「それどころじゃなくて」と必死に帰塁したという。
2年生で公式戦初先発だった権を援護しようと「ベンチ裏で素振りをして準備をしていた」というヒーロー。値千金の一打に「自信になります」と笑顔を見せていた。