「WBC第1R、韓国2-14日本」(7日、東京ド)
第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドA組は、日本がライバル韓国と激突。初回、イチロー外野手(35)が今大会初安打となる右前打で3連打の口火を切り、先制のホームイン。二回には絶妙なセーフティーバントを決めるなど、持ち味を存分に発揮して14-2の七回コールド勝ち。2連勝で2次ラウンド進出一番乗りを決めた。日本は8日の韓国-中国戦の勝者と、9日にA組1位をかけて対戦する。
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超満員のドームが大きく揺れた。こんな姿を見たかった。こんな快音を聞きたかった。2次ラウンド進出を決めたイチローは「今日決めたかったですからね、それが達成されてよかったと思います」と表情を緩めた。
強化試合を含めて16打席連続無安打だったイチローのバットがついに火を噴いた。初回。カウント1-0から、北京五輪で日本が苦しめられた“日本キラー”左腕、金広鉉の2球目、内寄りカーブをライナーで右前へ運んだ。地鳴りのような歓声を一身に浴びて「懐かしい感じがしました」。この一打に中島、青木が続く怒濤(どとう)の3連打で先制のホームを踏んだ。
真骨頂はここからだ。一回裏に松坂が2ランを浴び、1点差に詰め寄られた二回無死一、二塁の場面で初球をセーフティーバントで三塁線へ転がした。「ランナーを前に進めることを最優先に考えた。あのサイズ(体格)でサードを守っているのは見たことないし」。三塁手の身体能力を冷静に見極めての“技あり打”が、勝負を決定づける村田の一発を呼び込んだ。
先頭打者となった四回は中前打で出塁すると、今度は中継ぎ左腕のチャン・ウォンサムから楽々と二盗成功。カウント2-2。ストライクを投げることに集中したい投手心理を突いた頭脳プレーの直後に、3点目のホームを踏んだ。
「ぼくはぼくの野球を体現するだけです」
イチローがそう力強く言ったことがある。打って走るだけでなく、相手の心理を読んだプレーで1点を取りに行く。宿敵・韓国を相手に思う存分、イチローの野球を実践してみせた。
メジャー9年目。大きな故障は一度もない。しかし、それはもって生まれたものではなく、日ごろの鍛錬だけによるものでもない。肉体にいいものを吸収しようといという貪欲さがあるからだ。昨季から抗酸化力が高い水素水を愛飲し始めた。今オフからは疲労回復に役立つ酸素カプセルも使用し始めた。その取捨選択をできる感性をイチローはもっている。
コールド勝ちで韓国を完膚なきまでに叩きのめしたが、試合中も試合後も感情を見せなかったイチローは言った。
「まだアジア予選。とりあえず、アメリカでゲームができるようになった、ということだけ。大きな感情がくることの方が不思議に感じます」
冷静なチームリーダーがたくましく見えた。






