WBC日本代表候補のマリナーズ・イチロー外野手(35)が7日、神戸市内のスカイマークスタジアムでブルペン入りし、56球の投球練習を行った。「今日はそれが目的で来ました。遊びじゃない」。その言葉通りに140キロ超えの速球を連発。延長タイブレーク制があるWBCでの緊急登板を見据えて、「備え」にも余念がないイチローだ。
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遠投を終えると、迷うことなく一塁側ブルペンへ歩を進めた。おもむろにマウンドを慣らす。右手に息を吹きかけた後、ノーワインドアップから思い切り、右腕をしならせた。糸を引くような伸びのあるストレート。「速い!!」。見守った関係者から驚嘆の声がわき上がった。冗談でも何でもない。紛れもない「投手・イチロー」がそこにいた。
本人いわく「96年ぐらいに地方球場で投げて以来」というブルペン投球は、みるみる熱を帯びた。低めに速球が決まると、「ストライクは取れそうだな」とつぶやき、途中で交えた「アウトピッチ(決め球)」というフォークも3球、しっかりと落ちた。立ち投げで6球、座らせてセット投球も交えて50球。捕手役の藤本博史氏は「球にキレがある。147キロぐらい出てた」と評し、打席に立った柳沢裕一氏も「(元中日の)宣銅烈みたい」と、その熱投を絶賛した。
「今日はこれが目的で来ました。遊びじゃないよ」
イチローは真顔でこう言った。当初は予定になかったが、投げたい衝動にかられて、急きょ球場を訪れた。理由ははっきりしている。連覇を狙うWBCの存在だ。延長十三回以降のタイブレーク突入の際に、日本代表の原監督は野手登板を想定している。これに対してイチローは3日に、「ぜひ行かせてもらいます」と即応。万が一の「有事」まで見据えて準備するのが、この男である。
愛工大名電時代はエースで、96年の球宴第2戦で1/3回を投げた“実績”もある。最後に残した「抑えそうじゃなくて、抑えますけどね」というセリフがまた頼もしい。本当に侍ジャパンに非常事態が訪れたなら、任せられるのはやはりイチローしかいない。






