印判手と凧、コレクター愛あふれる展覧会が「大阪歴史博物館」で

印判手とは、型紙や銅版などの印刷的な手法で陶磁器の表面に模様をプリントする技法で、明治から昭和初期に人気を博しました。大量生産品で時代も古くないため研究が進んでいませんが、比較的安価に入手でき、コレクターが大勢います。

本展では、大阪市在住のコレクター・湯浅夫妻が「大阪歴史博物館」に寄贈した約1000点を展覧。動物、瑞獣、植物、吉祥、幾何学模様などの図柄別に紹介しています。その大半は直径13センチ前後の小皿ですが、大量に並ぶとさすがに壮観。細かな絵柄を見比べながら楽しいひと時が過ごせます。

続いてはアジアの凧。こちらは日本とアジアの凧および関連資料約1000点を収集した木村薫氏のコレクションが、一括して「大阪歴史博物館」に寄贈されたことを受けて開催されます。今回の出展総数は約270点です。

展示は、インド、ネパール、タイ、中国などアジアの凧から始まり、日本各地の凧を西から東へと進む形で紹介されています。凧の大きさ、形、色遣いは国ごと地方ごとにバラエティに富み、展示室はカラフルかつ華やかな空気に。また、工芸的な品があるかと思えば昭和30~40年代の漫画のキャラクターなどを印刷した子ども向けの凧も並んでいて、親しみやすさ抜群です。

庶民の日常を彩った道具や玩具がずらりと並び、「集める愉しみ」と「使う愉しみ」をコレクター目線で実感できるのが本展『コレクションの愉しみ 印判手の皿とアジアの凧』の魅力です。期間は、2017年2月13日まで、大人600円。

文・写真/小吹隆文(美術ライター)

(Lmaga.jp)

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