小吹隆文撰・週末アート、8/24~

「とにかく誰よりも現場を見て歩く」を信条に、美術ライター・小吹隆文が膨大なアートの海から、いま必見の展覧会をピックアップ! 今週は、体感したり、気づかされたり、発見したりなど、メッセージ性の強い作品の展覧会を紹介。

 

科学×アート=面白さ∞(無限大)

『IMPETUS AND MOVEMENT チカラとウゴキ展』

@ナレッジキャピタル「The Lab.みんなで世界一研究所」(大阪市北区)

大阪・梅田の「グランフロント大阪」にある「ナレッジキャピタル」では、科学技術を駆使したアート作品を積極的に紹介しています。今や関西を代表する「理系アート」の発信地と言えるでしょう。今回紹介する展覧会もその一つです。

出展作家は、赤松音呂、筧康明、脇田玲の3名。赤松は地球の磁気に反応して回転する木製の輪「チジ木」を、筧はモノの素材特性とデジタル技術を掛け合わせた3作品を、脇田は普段は意識することがない空気の流れをビジュアライズする「Furnished Fluid ♯2」(日時限定展示)を出品します。自然界に遍在する「目に見えないチカラ」を、科学技術を駆使して「目に見えるウゴキ」へと変換し体験させてくれる絶好の機会です。

2016年8月18日(木)~11月6日(日)

 

美術関係者が注目する4名の若手作家

『Art Court Frontier 2016♯14』

@アートコートギャラリー(大阪市北区)

本展はアートコートギャラリーが2003年より毎年開催している企画で、美術界の第一線で活躍する、キュレーター、アーティスト、ジャーナリスト、評論家などがそれぞれの「イチオシ!」作家を推薦するグループ展です。

14回目の今年は、人間、動植物、生、死などの境界が混じり合った神話的世界を創造する金サジ、独立した短い場面を繋ぎ合わせた否演出的な映像作品で知られ、2015年キヤノン写真新世紀展でグランプリを受賞した迫鉄平、身近な素材に別の意味を持たせてユーモアとアイロニーが漂う世界を作り出す水垣尚、独学で絵画を学び、出会った人や事象などと関わり合いながらイラスト、デザイン、映像を制作する鷲尾友公の4名が出品します。

2016年8月20日(土)~9月24日(土)

 

切なるメッセージを放つ木彫作品

『安藤栄作「約束の船・2016」』

@ギャラリーOUT of PLACE(奈良市)

2011年3月11日に起きた東日本大震災と巨大津波により全ての家財を失い、その直後に起きた原発事故により移住を余儀なくされ、現在は関西を拠点に制作を行っている安藤栄作。

彼は昨年に奈良で行われた『学園前アートウィーク2015』で大きな船型の木彫作品を発表し、同時期に、イスラエルの軍事侵攻で犠牲になったパレスチナの子ども達を鎮魂するプロジェクト「ガザのこども達」をスタートさせました。今回の個展では、安藤が昨年から今年にかけて発表したこれら2作品を同時に展示しています。我々が進むべき方向(ベクトル)を示すかのような船の造形物と、1000体もの人形(ヒトガタ)から、 作家が発する真摯なメッセージを感じ取ってください。

2016年8月19日(金)~9月25日(日)

(Lmaga.jp)

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