履正社・寺島、雪辱の夏 今春は無失点
第98回全国高等学校野球選手権大阪大会の抽選会が24日、大阪市内で行われ、優勝候補で今秋ドラフト1位候補の寺島成輝投手(3年)擁する履正社は、初戦で関大第一と対戦することが決まった。
あの夏の屈辱は忘れもしない。ちょうど1年前、初戦で激突した大阪桐蔭に逆転負けを喫した。2年生エースとして先発マウンドに立ち、涙に暮れた寺島。「最後の夏、何としてでも甲子園に出たい」と力を込めた左腕はこの春、順調に聖地へのステップを駆け上がってきた。
春季大阪大会を勝ち抜き、和歌山で行われた近畿大会では胴上げ投手になった。「ゼロで抑えることができてよかった。しっかり押せたかなと思います。夏も続けられるように」と直球主体のスタイルで、この春は1点も失わなかった。
チェンジアップが特徴的だった投手が遂げた変貌。ライバルを倒すため、確かな成長曲線を描いてきた。
「この春を勝ち抜かないと、夏の頂上はない。そうチームで言い続けてきた」と明かす寺島。主将として、明確な目標をチーム全体で意識づけしてきた。個人では調整方法を考え、ベストな状態でマウンドに上がるための方策を思案してきた。
その両面で確かな自信を持ち、最後の夏に臨む寺島。過去、甲子園がかかった大会で3度、ライバル・大阪桐蔭の前に屈してきた。敗北を糧に大きく成長した左腕が、激戦区・大阪の頂点を目指していく。