「高校野球・広島大会4回戦、高陽東3-10総合技術」(19日、広島)
3会場で8試合が行われ、ベスト8が出そろった。優勝候補同士の注目の対決は、創部4年目で初の甲子園出場を狙う総合技術が、高陽東を10-3で下した。主将の水野智貴内野手(3年)が、先制打と試合を決定付ける3ランを放って4打点。右ひじの故障から野球を辞めざるをえなかった兄・永吉さん(20)の夢を受け継ぎ、夢の甲子園へ一歩前進だ。
◇ ◇
兄への感謝の気持ちを込めた打球は、試合を決定づける一発になった。総合技術・水野はベースを軽快に駆け抜けた。
4点をリードした九回二死二、三塁から、高陽東の左腕・藤本の投げた初球のカーブを狙い打ちした。打球が左翼席へ向かうのを見つめた。審判が手を回すのを見て、何度もガッツポーズした。3ランは高校通算33本目となる本塁打だ。
初回には一死二、三塁からカーブを中前へ運ぶ先制適時打を放った。「ホームランも先制打も、しっかり強い打球が打てました」。水野は自身の4打点に胸を張った。
高陽東とは因縁の対決だった。昨秋県大会は準決勝で4-3で勝った。しかし、春季県大会は2-3で敗れて3回戦で敗退。1勝1敗で迎えた最後の夏の対戦を制した。「絶対、倒したいという気持ちでした。それくらい気合を入れてました」。主将としての意地があった。広陵と並ぶ優勝候補同士の対戦を制し、創部4年目で初の甲子園へ大きく前進した。
ある思いを心に刻んで、野球に取り組んでいる。小さいころから野球を教えてくれた兄・永吉さんへの感謝だ。慶応高校時代、プロ注目の右腕だった。しかし、右ひじを痛めてしまい、高校3年になる直前の3月にじん帯を断裂。野球を続けることを断念した。水野は「兄を見て、甲子園に行きたいと思っていました。兄の分の夢をかなえたいです。指導してくれた恩もあります」と語る。
最近、水野はスイングに悩んでいた。そこへアドバイスしてくれたのも兄・永吉さんだった。アッパー気味になっていたのを、たたきつけるスイングに修正した。小田監督の指導と合わせて、その効果がこの日の4打点の結果につながった。
子どものころから永吉さんの背中を見て野球に明け暮れた。今、兄の果たせなかった夢を乗せて、甲子園の土を踏むことに集中している。





