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スプリンターズS・G1

ゲレイロ

1センチの栄冠

2009/10/4 中山競馬場

▼第43回スプリンターズS
1着 ローレルゲレイロ 藤田伸二  
2着 ビービーガルダン 安藤勝己 ハナ
3着 カノヤザクラ 小牧太 1 1/4

 わずか1センチの差が明暗を分けた。ローレルゲレイロとビービーガルダンが演じた激闘は、長い写真判定の結果、わずか1センチ差でゲレイロにがい歌。史上3頭目となる同一年春秋スプリントG1制覇を成し遂げた。今後はステップレースを挟んで、国際G1の香港スプリント(12月13日・シャティン)へ向かう。3着にはカノヤザクラが入り、1番人気アルティマトゥーレは5着に終わった。

写真・ローレルゲレイロとビービーガルダン

ゴール前の死闘の末、スプリンターズSを制したローレルゲレイロ(左)

 

前走14着の屈辱晴らした!

魅せた驚異の粘り腰!!

 

【本当うれしい】

 

 歴史に残る死闘を制したのは、G1馬の底力だった。10分を超える長い写真判定の末、電光掲示板の1着に、ローレルゲレイロが勝ったことを示す「13」の数字がともった。その瞬間、昆師は大声を上げてガッツポーズ。「肉眼で見たときには勝ったと思ったけど、長い写真判定だったからね。本当にうれしい」と喜びをかみしめた。


 鞍上の藤田は「正直、負けていると思った。内と外で離れていたので、本当に分からなかった」と振り返った。行き脚がつかず、鞍上に気合をつけられながらハナに立った。直線はビービーガルダンに一歩ずつ差を詰められ、並んだところがゴールだった。着差はわずかに1センチ。96年のこのスプリンターズSで、1着フラワーパークと2着エイシンワシントンが激戦を演じたときと全く同じ、紙一重の差が勝者と敗者を分けた。そして、ゲレイロは史上3頭目の同一年春秋スプリントG1制覇の栄冠を手にした。


 秋初戦のセントウルSは失速して14着に惨敗。その後も体重が戻り切らず、この日もさらにマイナス4キロ。万全の状態ではなかった。藤田は「半分、信用し切れていなかった。疑ってすいません」とパートナーの頑張りをたたえた。昆師は「最終追い切りで気持ちが入った。気持ちで走るタイプ。G1馬の意地ですかね」と笑顔を見せた。

 

 夏にディープスカイが屈腱炎のため突然の引退。厩舎に漂っていた暗いムードを一掃してくれた。「ずっと厩舎を支えてくれている馬。種牡馬にもしてあげたい。スタッフともども、一生懸命に頑張ってくれたおかげ」と昆師。06年のデビューから、常に第一線の舞台で活躍してきた。もちろんこれからも厩舎を引っ張る存在であり続ける。


 次の目標は昨年8着に敗れた国際G1香港スプリント。前哨戦として、今年から外国馬にも開放された香港G2インターナショナル・スプリント・トライアル(11月22日・シャティン)も視野に入れながら、調整を進める。「暮れにはもっといい状態に持っていく自信がある」と指揮官は意気込む。日本のスプリント王から世界のスプリント王へ。新たな目標へと突き進む。

 

 

 

写真・ローレルゲレイロとビービーガルダン

ローレルゲレイロとビービーガルダンの写真判定


【96年スプリンターズS以来G1史上2度目の1センチ差】

 

 フラワーパークとエイシンワシントンが1センチ差の接戦を演じた96年のスプリンターズSは有名だが、G1での大接戦と言えば、昨年秋の天皇賞が記憶に新しいところ。逃げるダイワスカーレットに追うウオッカが鼻面を並べてゴール。長い写真判定の末、わずか2センチ差でウオッカに軍配が上がった。05年のJCでは1着アルカセットと2着ハーツクライが3センチ差の、99年の有馬記念では1着グラスワンダーと2着スペシャルウィークが4センチ差の接戦を演じた。

 


【樋渡オーナー】

 

 「ドキドキした」 史上3頭目となる春秋スプリントG1制覇の快挙に、(株)ローレルレーシングの樋渡信義代表(68)は「写真判定が出るまではずっとドキドキしていました。こういう勝ち方だけに、喜びが倍増しました」と感慨深げ。高松宮記念と同じ(13)番枠での勝利に「この数字がゲンのいいものになっていきそう。香港でも頑張ってほしい」と、最後まで笑みが絶えなかった。

 

 

【生産者の村田牧場】

 生産者の村田牧場の村田繁實さん(65)は「G1を2つ獲ってくれたことがとにかくうれしい」と笑顔を見せた。「(2歳の異父妹)マンゴプディング(父ムーンバラッド)は既に勝ち上がっており、キングヘイローを父に持つ1歳、当歳の牡馬も順調。今はアドマイヤムーンの子を受胎中ですが、ゲレイロが初子の母はまだ若いし楽しみ」と弟妹にも期待している。

 

 

 

アルティマトゥーレ 伸び切れず5着


 1番人気アルティマトゥーレは直線で伸び切れず5着。今年に入って500万下から重賞ウイナーにまで駆け上がったシンデレラガールも、今回は頂点に立てなかった。「直線で窮屈になって。結果的には逃げた方が良かったかな」と松岡。一方、奥平師は「経験の差が出たかな。春(来年の高松宮記念)にまたチャンスはあるからね」と気持ちを切り替えていた。


アイルラヴァゲイン 4着

 

 「返し馬から気持ちが乗っていたし、最後までハミを取って頑張ってくれた」(津村)

 

トレノジュビリー 6着 


 「いいところがあいていたが、ジリジリとしか伸びなかった」(岩田)


アーバニティ 7着  

 

 「久々でも馬自身はいい感じだったけど、もっとソフトな馬場の方が良かったと思う」(横山典)





ローレルゲレイロ…牡5歳。父キングヘイロー、母ビッグテンビー(母の父テンビー)。馬主・(株)ローレルレーシング。生産者・北海道新冠町 村田牧場。戦績・26戦5勝(うち海外1戦0勝)。重賞・08年東京新聞杯、阪急杯、09年高松宮記念に続き4勝目。総収得賞金・482、480、000円(うち海外0円)。昆貢調教師、藤田伸二騎手ともに初勝利。

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