高松宮記念

絶妙エスコート!豊20年連続GI制覇

2007/03/25・中京競馬場

▼ 第37回高松宮記念
1着 
スズカフェニックス
武豊
1.8.9
2着
ペールギュント
上村
2 1/2
3着
プリサイスマシーン
安藤勝
   
 道悪馬場をモノともせず、1番人気のスズカフェニックスが春のスプリント王の座をつかんだ。武豊はデビューから21年連続のJRA重賞制覇を決めたパートナーで、20年連続のGI制覇を達成。また、サンデーサイレンス産駒は同レース3連覇で、14年連続のGI勝利となった。2着には13番人気のペールギュントが入り、3着はプリサイスマシーン。馬連、馬単、ワイド、3連複、3連単で同レースの最高払戻金記録を更新した。

舌をペロリと、してやったり!?20年連続GI制覇を決めた武豊も笑顔

 

 【道悪馬場突き抜けた】

泥んこ馬場を力強く突き抜けた。電撃6F戦を制したのはスズカフェニックスだ。初挑戦のGI舞台で見事1番人気に応え、その頂点に立った。混戦GIの前評判をくつがえす、2馬身半差の完勝劇だ。

「強いレースだった。こうなればいいなと思っていたように運べた。すべてがうまくいったね」。会心の騎乗に武豊から笑みがこぼれる。前日からの雨こそ上がり、晴れ間がのぞいたが重馬場。これまでの““直線勝負≠フスタイルを捨てて攻めに転じた。

勝負どころは7番手を追走し、直線は抜群の手応え。そこからは過去10回組んだコンビが奏でるあうんの呼吸だ。「千二百メートルにしてはペースもそう速くなかったからね。後ろを待たなくていいと思った。千四百メートルの前走でもあれだけの脚を使ったので今日も大丈夫だと思っていた」。直線は手綱越しにゴーサインを送りエンジンに点火。人気の一角エムオーウイナーの右横を並ぶ間もなく横切ると、後続を置き去りにして栄光のゴール板を駆け抜けた。

「とにかく状態がよかった。今、GIに使いたいっていう出来だったから。マイルよりも強かったよ」。千二百メートルから二千メートルまで、幅広くこなすオールラウンドホースに頼もしそうな視線を送った。

これで武豊は、デビュー2年目から20年連続GI制覇の偉業を達成。その快挙を素直に喜んだ。「早いうちにできてよかった。去年はフェブラリーS。前半に勝っておかないと、まだか、まだかと言われるから」。常に期待を背負う我が身に苦笑いした。

ユタカを背にした勇姿。中京のターフを先頭で駆ける姿は05年高松宮記念を制したアドマイヤマックスを再現しているかのようだった。「3、4コーナーで““今日はいけるんじゃないか≠チて思った。マックスと同じようなレースぶりでしたね。上手に乗ってくれました」と橋田師も2年ぶりのGI勝利に感慨深げだ。

新たなターゲットは安田記念(6月3日・東京)。GI連覇を狙う。「切れ味が身上。それを生かすことができれば距離は融通性がありますからね」。ようやく開花したSS産駒の期待馬だ。府中のターフを不死鳥が切り裂く。

 

鋭いキレ味で抜け出すスズカフェニックス

 【橋田師2年ぶりGI 】

永井オーナー感激ひとしお ““地元V≠決め、オーナーの永井啓弍氏(72)も感激ひとしお。現在、中京馬主協会会長を務めており、高松宮記念制覇は念願だった。「どうしても欲しかったGIのタイトルだからね。ゴールの瞬間は““やった!≠ニ思った」と喜びに浸った。しかも、スズカフェニックスは栗毛のSS産駒。脚質こそ違うが、外見はかつての快速馬を連想させる。「サイレンススズカと同じ。生産牧場も同じだから、感慨深いものがある」と天国の愛馬に勝利をささげた。

 【ペールギュント、ギュ〜ント2着】

13番人気の低評価に大発奮。ペールギュントが2着に食い込んだ。「馬場が渋ったにせよ、もともとマイルの馬。スピードは負けないと思っていた」と上村はパートナーの地力を信頼して騎乗。外枠から6Fのペースに対応し、高配の使者となった。見守った橋口師は、自身19回目のGI2着にも「こんなにうれしい2着は初めて」と驚きの表情。次走は未定だが「こういう(距離の)レースを選んでいきたい」とスプリント路線への転向を示唆した。

 

 【プリサイスマシーン悔し3着】

阪急杯を勝って臨んだプリサイスマシーンは、ペールギュントとの叩き合いの末、3着に敗れた。最後までじりじり伸びてはいたが、前2頭とは瞬発力の差が出てしまった。安藤勝は「馬場なのか回りなのか分からないが、4コーナーでもたついた。最後は伸びていただけに」と悔しそうな表情を見せた。しかし昨年の4着を上回る着順。これを最後に引退する水留きゅう務員は愛馬の好走を称え、競馬場を後にした。

 

 【エムオーウイナー失速…】

2番手を追走したエムオーウイナーだが、ゴール手前で急激に脚勢が落ちた。「余裕を持って行けた。馬場も気にならなかった。道中かなり手応えがあって“よしよし”という感じだったけど、あと1Fで止まった」。7着の結果に、小牧は悔しさを隠さない。人馬ともGI初制覇の夢はかなわなかった。「やっぱGIやね。これからやね」。次のチャンスをつかむべく、最後は笑顔で前を向いた。

 

 【オレハマッテルゼ5着も復調気配】

連覇を狙ったオレハマッテルゼは5着。好位追走から直線でもジワジワと伸びてきた。復調を感じさせる内容に「いままでの着順からすると頑張っている。前回よりはグンと良くなっている。この感じで良くなれば、もう少し差のないとこまでいける」と後藤は期待を込めた。悔しそうな音無師も「だいぶ復調してる」と上昇度には満足げ。京王杯SC(5月12日・東京)での雪辱を誓った。

 【シーイズ有終飾れず8着…】

ラストランを飾ることはできず。シーイズトウショウは、10度目のGI挑戦も8着に終わった。9Rで最内枠から2着に粘ったこともあって、池添は好位のインで運ぶスタイルを選択。「内枠だったし、ああいう競馬しかできなかった。外でスムーズに競馬できれば良かったが。やっぱり馬場かな」と肩を落とす。歴代最多タイのスプリント重賞5勝馬。今後は母としての次なる仕事が待っている。

 
スズカフェニックス…牡5歳。父サンデーサイレンス、母ローズオブスズカ(母の父フェアリーキング)。馬主・永井啓弐氏。生産者・北海道沙流郡平取町 稲原牧場。戦績・17戦7勝。重賞・07年東京新聞杯に続き2勝目。総収得賞金・251、818、000円。橋田満調教師は05年アドマイヤマックスに続き2勝目、武豊騎手は90年バンブーメモリー、05年アドマイヤマックスに続き3勝目。

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