有馬記念
 レコルト圧勝 コースレコードだ 2004/12/26・中山競馬場
 

ペリエは史上初のGP3連覇にガッツポーズ=中山競馬場

 強い、速い、そして美しい―。単勝2・0倍の1番人気に支持されたペリエ騎乗のゼンノロブロイが、2分29秒5という日本レコードでグランプリ制覇。善戦マンと呼ばれていた馬が、天皇賞(秋)からジャパンCに続いてG1・3連勝。00年テイエムオペラオー以来、史上2頭目となる2億円のボーナスをゲットした。もう国内に敵なし。陣営の視線はすでに来年の海外遠征へ。7月下旬に行われる上半期欧州最大のG1・キングジョージ6世&クイーンエリザベスDSを目指す予定だ。

 “チョー気持ちいい!”今年の流行語大賞に選ばれたフレーズでストレートに喜びを表現したペリエ。「有馬記念のような大きなレースを3年連続で勝ててうれしい」とインタビューで答えていたが、この男にとっては秋の古馬GI完全Vや、グランプリ3連覇なんてことは赤子の手をひねるようなものなのかもしれない。

▼ 第49回有馬記念
1着  ゼンノロブロイ
ペリエ

2.29.5

  2着 タップダンスシチー
佐藤哲

1/2馬身

  3着 シルクフェイマス
四位
1 1/2
  ゼンノロブロイが好スタートからスーッと2番手につけた時、場内からどよめきが巻き起こった。まるでタップダンスシチーだけがライバルと決め付けているかのような積極策。誰もが予想外の展開に黙ってはいられなかたようだが「タップをマークしてたわけじゃないよ。最内の(1)番枠だったので、包まれたくなかっただけ。たまたまその前にタップがいただけ」とペリエは淡々とした表情で振り返る。

 1〜2コーナーで一瞬息を入れたが、全体的には11秒台の厳しいラップで飛ばすタップダンスシチー。だがロブロイは何食わぬ顔でピッタリとマーク。直線早めにスパートして逃げ込みを図るタップを、涼しい顔をしたまま交わして前人未到の有馬記念3連覇を達成。着差はわずか半馬身差。タップの健闘を称える佐藤哲とハイタッチは感動的なシーンだった。

 気になるのはやはり先輩シンボリクリスエスとの比較。「両馬とも素晴らしい馬。ロブロイがクリスエスより優れている点を上げるとしたら、クリスエスは精神的にエキサイトするところがあったが、ロブロイはリラックスして走れる」。もうシンボリクリスエスと肩を並べるところまで来た。

 来年は日本のエースとして海外遠征のプランが浮上。当面の目標は上半期の欧州GIの総決算・キングジョージ6世&クイーンエリザベスDS。「旅は長いが、日本でこれだけ強い競馬をするんだからできると思うよ」とペリエは心強い言葉を残して日曜の夜に帰国。この後はゆっくりと休暇をとり、2月の東京開催にはまた戻ってくる予定。

 ゼンノロブロイとのコンビはしばらく見られないが、来年はまた新たな伝説を作ってくれるに違いない。

ゼンノロブロイ…牡4歳。父サンデーサイレンス、母ローミンレイチェル(母の父マイニング)。馬主・大迫忍氏。生産者・白老 白老ファーム。戦績・15戦7勝。重賞・03年青葉賞、神戸新聞杯、04年天皇賞(秋)、ジャパンC。総収得賞金・964、508、000円。藤沢和雄調教師、O・ペリエ騎手ともに02・03年シンボリクリスエスに次いで3勝目。
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