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エリザベス女王杯
 ユタカ4連覇 グルーヴ最強女王 2004/11/14・京都競馬場
 

豪快に差し切ったアドマイヤグルーヴ(中央)が最強牝馬を証明=京都競馬場

  女王の座は渡さない―。晩秋の淀の直線を力強く追い上げたアドマイヤグルーヴが貫録をみせつけ、「第29回エリザベス女王杯・G1」で連覇を達成した。武豊は天皇賞・春(89〜92年)以来となる同一G1・4連覇の偉業。人馬ともに快挙を果たした。2着にはオースミハルカが粘り、3着はエルノヴァ。1番人気の3歳女王スイープトウショウは伸びきれず5着がやっと。

 直線で内がポッカリとあく。勝利への道だ。アドマイヤグルーヴはGOサインを受けるとグングンと差し脚を伸ばす。2番手から抜け出したオースミハルカを、ゴール前でかわし、見事に連覇を達成。最強牝馬を証明した瞬間だった。

▼ 第29回エリザベス女王杯
1着  アドマイヤグルーヴ
武豊

2.13.6

  2着 オースミハルカ
川島

3/4馬身

  3着 エルノヴァ
ペリエ
1 1/4
  天皇賞から中1週。厳しいローテながら、陣営はきっちりと仕上げてきた。前走と同じ馬体重。パドック、返し馬での落ち着いた姿。「天皇賞よりいい雰囲気だった」と武豊は手応えをつかんでいた。レースは先行有利のスローな流れ。だが、動じることはなかった。「折り合いもついていたし、直線に向いて軽く肩ムチを入れたら、いい結果が出るときの反応をしてくれた」と愛馬の労をねぎらった。

 「調子を落とさずにレースに持ってくることができた。ゴール手前では勝ったと思った」と橋田師も表情を崩す。「昨年の方が状態はよかったが、筋肉も幅が出て、精神的にも落ち着いていたことが補ってくれた」と話す。年齢を重ね心身ともにパワーアップした。

 グルーヴは連覇、武豊は天皇賞・春(89〜92年)以来となる同一G1・4連覇の快挙。「昨年は悲願のG1、今年は牝馬の最強としてトップに立てた」と名手は語る。自身の記録については、「いつも強い馬に乗っていたから」と照れ笑いを浮かべた。マイルCSではファインモーションに騎乗する。ファイン陣営が配慮して、エリザベス女王杯から切り替えただけに、「2頭が出ることになっていたら、つらい決断になるところだった。期待に応えたい」と闘志を燃やした。

 年内は生まれ故郷のノーザンファームで休養に入るグルーヴ。来春に復帰して狙うは混合G1制覇だ。「牡馬に交じると本来の動きが出ない。今後はそこが目標ですね」と武豊も期待をかける。天皇賞・秋を制した母エアグルーヴのように。復権を果たした名コンビは同じ道を目指す。

アドマイヤグルーヴ…牝4歳。父サンデーサイレンス、母エアグルーヴ(母の父トニービン)。馬主・近藤利一氏。生産者・早来 ノーザンファーム。戦績・14戦7勝。重賞・03年ローズS、エリザベス女王杯、04年マーメイドS。総収得賞金・450、695、000円。橋田満調教師は03年同馬に次いで2勝目、武豊騎手は01年トゥザヴィクトリー、02年ファインモーション、03年同馬に次いで4勝目。
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