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スプリンターズステークス
 彼女の力を信じた 2002/09/29・新潟競馬場
 
悲願のG1制覇のダンツフレーム。騎乗の藤田はガッツポーズ
  豊がビリーヴを初G1へエスコート―。新潟で初めて行われたG1・スプリンターズSは好スタートから3番手につけた武豊騎乗のビリーヴが、直線インから抜け出し快勝。1番人気にみごと応えた。松元茂師は開業10年目で初めての平地G1制覇。また、8月に死亡したサンデーサイレンス産駒の記念すべきスプリントG1初制覇となった。

 ギリギリ1頭分あいた最内をこじ開けてビリーヴが伸びてきた。電撃戦のV争いは、直線で後続をちぎった3頭に絞られる。ビリーヴを駆るユタカの視界にあるのは、ショウナンカンプとアドマイヤコジーンの2頭のG1馬だけだった。

▼ 第36回スプリンターズステークス
1着  ビリーヴ
武豊
1.07.7
  2着 アドマイヤコジーン
後藤

1/2馬身

  3着 ショウナンカンプ
藤田
クビ

 「外に出そうか、真ん中を割ろうか」。一瞬のチャンスをうかがうユタカ。コジーンが外に膨らむ。真ん中を割ろう、と決める。だが、その瞬間、コジーンがすぐ進路を修正。空間がなくなる。しかし、同時に最内に細い道が開く。「内があいたんで内に入った。全然ロスはなかった」。瞬時の判断だった。インに突っ込んだビリーヴも鞍上の期待に応える。2頭に並び、交わして初のG1ゴールへ飛び込んだ。

 「狭いところだったけど、全然ひるまず入って行った。たいした馬ですよ」。ユタカはビリーヴを称える。才能に恵まれた人馬がかみあってつかんだ記念すべき新潟初G1の勝利。

 松元茂師は開業10年目でうれしい平地G1初勝利。インに突っ込んだ瞬間は観念したと言う。「抜けて来れないと思いました。正直言って。まさか内ラチのあそこから抜けてくるとは…。本当に頭が下がります」。今後のビリーヴは、ミニ放牧に出してリフレッシュ。疲れを取った後は、12月15日に香港・シャティン競馬場で行われる国際G1「香港スプリント」(芝1000b)を目標に調整していく。

 一方のユタカは今週、また渡仏。凱旋門賞に乗るかどうかはまだ未定だがフランスで騎乗する。そして来週は日本に戻って秋華賞はファインモーションに騎乗。その後、しばらくは日本でプレーする。

 イレギュラーな開催となった新潟でのG1制覇。「いいスタートが切れたんで、この調子で頑張っていきたい」。酔いしれた越後のファンの前で、高らかに宣言だ。(小村竜一)

ビリーヴ…牝4歳。父サンデーサイレンス、母グレートクリスティーヌ(母の父ダンチヒ)。馬主・前田幸治氏。生産者・鵡川 上水牧場。戦績・20戦8勝。重賞・14年セントウルS。総収得賞金・262、872、000円。松元茂樹調教師は初勝利、武豊騎手は平成2年バンブーメモリーに次いで2勝目。
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