ホーム > 競馬・レース > 03プレイバック > 天皇賞(春)
天皇賞(春)
 すべては結果で証明 2002/04/28・京都競馬場
 
マンハッタンカフェがゴールへ一直線。奥は2着ジャングルポケット
  マンハッタンカフェが鮮やかに復活、菊花賞、有馬記念に続いて3つ目のG1を手に入れた。中団の前めで流れに乗って、直線でスパッと抜け出す横綱相撲。外から追い込むジャングルポケットを首差退けて、長距離No.1の座を不動のものにした。桜花賞、皐月賞で連続2着と悔しい思いをした小島太師も“ライバル”との対決に完勝して会心の笑み。3着にもナリタトップロードが入り、3強が順当に上位を独占した。

 下馬評通りの3強対決、勝負どころは直線の入り口だった。「絶対に外を回るな。脚があれば、突き抜けられるんだから」。蛯名は小島太師の指示通りに、マンハッタンカフェを馬群の中へ導く。一瞬ひらいたスペースに迷いなく突っ込むと、直線半ばでスパッと抜け出す。外から猛追するジャングルを余裕を持って振り切り、最強を証明するゴールへ飛び込んだ。

▼ 第125回天皇賞(春)
1着  マンハッタンカフェ
蛯名
3.19.5
  2着 ジャングルポケット
武豊

クビ

  3着 ナリタトップロード
渡辺
1/2馬身

 注目された位置取りは、大方の予想を裏切って蛯名マンハッタンが一番前。左に渡辺ナリタ、直後に武豊ジャングル。ライバルに周囲を囲まれて、ビッシリとマークされる厳しい立場。「でもこの馬は長距離戦で一番大事な折り合いに不安がないからね。周りに2頭がいるのは分かったけど、じっくりと余裕を持っていけたよ」。愛馬の能力に全幅の信頼を寄せる蛯名は、落ち着き払って答えた。

 陣営にとって春の盾は、絶対に譲れないタイトルだった。昨年は同じG1 2勝を挙げながら最優秀3歳牡馬、年度代表馬の座をジャングルに奪われた。無冠という結果がどうしても納得いかない小島太師は、日経賞での敗戦にも“自分の馬が一番強い”という自信に揺るぎはなかった。「栗東に入ってから状態が急激に良くなっていたからね。体は100%。これなら負けられないと思ったし、負ける訳がないと思ったよ」。

 後方から豪脚を披露した菊花賞、有馬記念とは違って、今回はライバルより早めに動き力でねじ伏せる進化を見せるレースぶり。ジャングルとの対戦を2戦2勝としてNo.1の座についた。「自分ではマンハッタンが昨年のチャンピオンだと信じていた。G1 3発で、みなさんも認めてくれるでしょう」。胸を張ってインタビューに答えた師の表情は、実に晴れやかだった。(和田 剛)

マンハッタンカフェ…牡4歳。父サンデーサイレンス、母サトルチェンジ(母の父ローソサイアティ)。馬主・西川清氏氏。生産者・千歳 社台ファーム。戦績11戦6勝。重賞・02年菊花賞、有馬記念。総収得賞金・522、834、000円。小島太調教師は初勝利、蛯名正義騎手は8年バブルガムフェロー(秋)に次いで2勝目。
Copyright(C) 2011 デイリースポーツ/神戸新聞社 All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp